インターフェロンの効果予測用遺伝子マーカー

keywords.jpgHCV, 遺伝子多型マーカー,治療効果,インターフェロン 

越智 秀典 

HIDENORI OCHI

division.jpg医歯薬保健学研究院 応用生命科学部門

position.jpg講師

研究概要

研究の背景

C型肝炎ウイルス(HCV)は肝硬変や肝がんの主要な原因の一つである。インターフェロンはHCVを駆除しうる薬剤で、ペグ化やリバビリンとの併用によってその治療効果は徐々に向上してきたが、ペグインターフェロン・リバビリン併用療法を使用しても治療抵抗性であるサブタイプ1b型において著効率は5割に満たない。

研究内容

理化学研究所ゲノム医科学研究センターとの共同研究によって、ヒトゲノム全体に分布する約 47 万個の SNP をマーカーとしたゲノムワイド関連解析を用いて、ペグインターフェロン・リバビリン併用療法を実施した計 2112人の東アジア人(日本人, 台湾人)のC型慢性肝炎患者集団についてSNPと治療効果の関連性を調べ、強い関連性が示されたSNP周辺のリシーケンス及びファインマッピングにより効果予測用遺伝子マーカーの探索を行った。

成果

2段階のゲノムワイド関連解析の結果、治療効果の間に強い関連を示す複数のSNPがIL28B遺伝子領域に認められました。これらは既に他機関のゲノムワイド関連解析で報告されたものと同じSNPでしたが、周辺のリシーケンス及びファインマッピングの結果、治療効果と関連する既報にはない個のSNPを新たに発見いたしました。東アジア人のIL28B遺伝子領域のこれらのSNP間の連鎖不平衡は非常に強く、新たに発見したSNPの治療効果予測能は既に報告されているIL28B遺伝子多型に相当するものであった。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

今回発見した遺伝子多型マーカーは東アジア人の C 型慢性肝炎に対するインターフェロン療法の治療応答性マーカーとして有用である。またこれらの中に遺伝子の機能を調節している遺伝子多型が含まれている可能性もあり、その詳細な調節メカニズムの解明を通じてインターフェロンによるウィルス駆除メカニズムの解明や、新たな治療法の開発につながることが期待されます。

本研究の特徴・優位性

本研究により同定された特定の遺伝子多型はインターフェロン療法における東アジア人のC型慢性肝炎患者の治療効果を予測するためのマーカーとして有用であり、インターフェロン療法の治療効果の予測に使用できることを初めて見出したものです。

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インターフェロンの効果予測用遺伝子マーカー(特願2009-193726)
Ochi et al. J Gen Virol 2008;89:2018–2113

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