高濃度有機溶媒の耐性を持つ細菌を活用した化学変換プロセスの実用化

keywords.jpgケミカルバイオテクノロジー,有機溶媒耐性細菌,酸化還元反応,石油炭化水素,バイオプロセス 

加藤 純一 

JUNICHI KATOU

division.jpg先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 分子生命機能科学講座

position.jpg教授

研究概要

研究内容

当研究室ではベンゼン,トルエン,キシレン等が高濃度(~90%[vol/vol])の条件下でも増殖する強力な有機溶媒耐性細菌の分離に成功した。さらに,それら有機溶媒耐性細菌の遺伝子組換え系の開発にも成功した。
 この有機溶媒耐性細菌と遺伝子組換え技術を活用すれば,従来生体触媒の適用が困難であった,石油系炭化水素などの疎水性物質を基質とした位置特異的あるいは光学活性特異的な酸化還元反応が可能となる。
 医薬品や生理活性物質の光学活性な中間体の有機合成には多段階の反応ステップを要する。目的とする反応を触媒する酵素遺伝子を組み込んだ有機溶媒耐性細菌を生体触媒として用いれば,合成ステップの大幅な簡略化が可能となり,また有機合成では使用できなかった出発基質を活用できるようになる。
 有機溶媒重層系では高濃度の疎水性基質の添加が可能であるので,反応の効率化が可能となる。また,バイオプロセスは省エネルギー型で有害な副産物を生じない環境調和型の生産プロセスである。したがって,プロセスのコスト軽減・グリーン化も期待できる。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

有機溶媒耐性細菌を活用して,化学変換プロセスの開発と実用化に向けて企業と共同研究を行いたい。
応用分野
医療中間体を始めとするファインケミカル、中規模程度のケミカルの生産

本研究の特徴・優位性

従来使われてきた微生物が芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素の水酸化反応に適用することができる。モデル化合物としてトルエンを用いた反応で10g/l以上の一水酸化物、二水酸化物のバイオプロダクションに成功している。

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I. Faizal, et al. J. Ind. Microbiol. Biotechnol. 32:542-547 (2005)

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