アトピー性皮膚炎患者における汗抗原の同定とその臨床応用

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秀 道広 

MICHIHIRO HIDE

division.jpg医歯薬保健学研究院 統合健康科学部門

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研究概要

研究の背景

汗はアトピー性皮膚炎(AD)の悪化因子であり、以前からヒト汗中にはAD患者好塩基球に対してIgE依存性にヒスタミン遊離を惹起する抗原があることは知られていたが、物質としては不明であった。

研究内容

各種カラムを用いて精製を行い、汗抗原を物質として同定した。汗抗原モノクローナル抗体を用いて、血清中の汗抗原特異的免疫グロブリンを測定するELISA法について検討した。

成果

汗抗原として、Malassezia globosaの産生する蛋白であるMGL_1304を同定した。大腸菌や動物細胞で作製した組換えMGL_1304はAD患者末梢血好塩基球からヒスタミン遊離を起こした。MGL_1304に対するIgE, IgG, IgG4を測定するELISA法を確立した。MGL_1304特異的血清IgE値はADとコリン性蕁麻疹患者で健常人より有意に高かった。さらに、MGL_1304特異的血清IgE値はADの重症度と相関しており、MGL_1304はADの病態に重要なアレルゲンであると考えられた。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

このような分野に関心のある企業等との間で共同研究開発が可能である。なお既に複数の企業との共同研究が進んでおり、新規共同研究に関しては役割分担についての調整が必要。
応用分野
臨床検査、減感作治療薬、医薬部外品(スキンケア商品)、衣類、化粧品

本研究の特徴・優位性

我々が発見したMGL_1304は、AD患者に対して特異的にIgE産生を惹起し、高率に末梢血好塩基球のヒスタミン遊離を起こす。今後は、汗抗原特異的な減感作治療、汗抗原を特異的に中和するスキンケア製品など、幅広い範囲の臨床応用が可能と考えられる。

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PCT/JP2013/067396 ヒト汗中に含まれる新規ヒスタミン遊離物質
PCT/JP2013/71715 汗アレルギー抗原タンパク質に結合するモノクローナルIgE抗体

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