移動透過マルチキャスト通信機能を有する仮想化方式

keywords.jpgモバイルネットワーク, コンピュータ仮想化, 仮想計算機, マルチキャスト通信 

相原 玲二 

REIJI AIBARA

division.jpg情報メディア教育研究センター 情報メディア教育研究センター

position.jpg教授

共同研究者 : 近堂徹,岸場清悟,大東俊博,西村浩二,田島浩一

研究概要

研究の背景

あるコンピュータ上で動作する仮想計算機を,インターネットに接続された任意のコンピュータ上に移動(マイグレーション)させ,その動作を継続させるグローバルライブマイグレーション手法が提案されている。マイグレーション先を選ばない柔軟性と,マイグレーション時の通信断が数秒程度で済む点で注目されているが,その対象は1対1のユニキャスト通信のみである。グローバルライブマイグレーションにおいて1対多のマルチキャスト通信への拡張が期待されていた。

研究内容

本研究はユニキャスト通信のみならずマルチキャスト通信についても中断時間を短縮する新たなグローバルライブマイグレーション技術を開発し,プロトタイプシステムの実装と性能評価を目的としている。
研究代表者らが過去に独自開発している移動透過通信アーキテクチャMATを,仮想計算機において移動透過マルチキャストに対応するよう拡張し,詳細設計を行うとともにLinux上での実装を行った。研究代表者らは既に,実コンピュータ(移動ノード)が移動する際,ユニキャストおよびマルチキャスト通信を継続使用(ハンドオーバ)するための研究を行っていた。その結果,複数のインタフェースを利用したユニキャスト・ユニキャスト間,ユニキャスト・マルチキャスト間,およびマルチキャスト・マルチキャスト間ハンドオーバ実現の可能性を示していた。これらの成果をもとに仮想計算機において移動透過マルチキャスト通信が利用できるよう拡張し,その詳細設計を行った。

成果

仮想計算機(VM; Virtual Machine)がグローバルライブマイグレーションを行う際,VM を稼働させる実計算機(VMS; Virtual Machine Server)がマルチキャスト受信の困難なネットワーク上に設置されているケースを考慮した,ユニキャスト・マルチキャスト両対応のマイグレーションを提供する手法を設計した。
提案手法の効果を定量的に示すため,グローバルライブマイグレーション(GLM)及び従来のライブマイグレーション(LM)におけるマルチキャスト受信の通信途絶時間と,移動透過IP マルチキャストのために追加した操作に要する時間などに関する評価実験を行った。その結果,GLMマルチキャストの通信途絶時間は,従来のLMユニキャストよりも0.05秒程度大きいものの,ほぼ同水準であることなどが判明した。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

この分野に関心のある企業等との共同研究・受託研究は可能である。

本研究の特徴・優位性

本研究の成果により,例えばネットワーク上で大規模なリアルタイムストリーム映像配信等を行う場合,中継ノードの円滑な動的再配置によるシステムの最適化が実現可能となる。

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鎌田恵介, 近堂徹, 西村浩二, 相原玲二, 移動透過IPマルチキャストに対応するグローバルライブマイグレーションの設計と性能評価, 情報処理学会論文誌, 54(3), 2013, pp.1061-1070, http://ci.nii.ac.jp/naid/110009552592.
K. Kamada, T. KONDO, K. Nishimura, R. Aibara, Design and Evaluation of Global Live Migration with Mobility Support for IP Multicast, 12th IEEE/IPSJ International Symposium on Applications and the Internet (SAINT2012), 2012, pp.338-344, 10.1109/SAINT.2012.90.

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