単一電子トランジスタを用いた前立腺癌特異抗原の検出

keywords.jpg単一電子トランジスタ,バイオセンサー 

中島 安理 

ANRI NAKAJIMA

division.jpgナノデバイス・バイオ融合科学研究所

position.jpg准教授

研究概要

研究の背景

私の研究室では最近Si単一電子トランジスタ(SET)を用いたバイオセンサーとイオンセンサーの実現に世界で初めて成功しています[Applied Physics Letters, Vol. 98, Art. No. 123705 (2011), Applied Physics Letters, Vol. 100, Art. No. 023704 (2012)]。
SETではクーロン振動を利用でき、原理的にナノワイヤトランジスタに比べてバイオ物質やイオンの検出感度を大きくできます。従って、SETを利用したバイオセンサーやイオンセンサーが実現すれば、バイオ分子やイオンの希薄濃度での検出が可能になります。
  今回日本人の男性に多い前立腺癌について、その腫瘍マーカーである前立腺癌特異抗原のカットオフ濃度での検出がSETを用いたバイオセンサーで可能であるかを調べました。

研究内容

SETを利用したバイオ・イオンセンサーの実現には、SETの室温動作及びアルカリ金属イオン等を含む緩衝液を用いるプロセスとULSI作製プロセスとの整合を両立させる必要があり、今まで報告がありませんでした。現在ではSETは種々の材料により実現されていますが、そのほとんどが低温でのみの動作に限られており室温動作SETはSi系材料を用いた場合の報告しかありません。私の研究室ではSiナノサイズドットを複数直列に配置する事によりドット1つ当たりの実効接合容量を減らし、SETの室温動作を容易にしました。このSi SETを用いてバイオセンサーを作製し、希薄濃度での前立腺癌特異抗原の検出を行いました。

成果

今回、Si SETを用いたバイオセンサーによって、前立腺癌特異抗原(PSA)の検出に成功しました。今回の検出はPSAのカットオフ濃度4ng/mlにおいてであり、SETバイオセンサーの実用化の可能性を開きました。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

このテーマに関する講演,助言などが可能です。

本研究の特徴・優位性

SETではクーロン振動を利用でき、原理的にナノワイヤトランジスタに比べてバイオ物質やイオンの検出感度を大きくできます。

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この結果はApplied Physics Letters, Vol. 103, Art. No. 043702 (2013)に掲載されました。
関連特許:特願2011-155178

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