骨粗鬆症モデルOASIS欠損マウス

keywords.jpg骨, モデル動物, OASIS, 小胞体 

今泉 和則 

KAZUNORI IMAIZUMI

division.jpg医歯薬保健学研究院 基礎生命科学部門 分子細胞情報学

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

骨粗鬆症はわが国で約1000万人の罹患が推定されており、高齢化とともにその数は今後さらに増加する。骨粗鬆症の研究はここ数年で進歩がみられるものの本質的な病態解明には行き着いていない。薬開発のための薬物評価に使用できる骨粗鬆症病態モデル動物の開発も遅れている。

研究内容

OASIS蛋白質の生体内での役割又は機能を理解するために、OASIS遺伝子を欠損させたマウスを作製した。骨格形成の異常が観察されたことから、X線解析、マイクロCT解析、骨形態計測を実施した。あわせて遺伝子欠損マウスから採取した骨芽細胞の細胞生物学的特徴について解析した。

成果

小胞体ストレスから回避するためのシグナル伝達に重要な役割を担う新規小胞体局在転写因子OASISを発見した。OASIS遺伝子を欠損したマウスは長管骨および海綿骨の骨量が著しく減少し、ときに骨折が観察されるなど骨粗鬆症と極めて類似する病変を有する。このように本発明のマウスは、骨粗鬆症モデルマウスとして利用可能である。また最近、OASIS遺伝子は骨形成不全症原因遺伝子であることが判明した。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

医療、創薬(骨粗鬆症、骨形成不全症の病態解析および薬物スクリーニング系への応用)

本研究の特徴・優位性

骨形成不全症原因遺伝子であるOASISの遺伝子欠損マウスは特許を取得しており、優位性がある。

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論文;
Murakami T, Saito A, Hino S-I, Kondo S, Kanemoto S, Chihara K, Sekiya H, Tsumagari K, Ochiai K, Yoshinaga K, Saitoh M, Nishimura R, Yoneda T, Kou I, Furuichi T, Ikegawa S, Ikawa M, Okabe M, Wanaka A, Imaizumi K.: Signalling mediated by the endoplasmic reticulum stress transducer OASIS is involved in bone formation. Nature Cell Biology, 11: 1205-1211, 2009.

特許;
発明者:今泉和則, 近藤慎一, 和中明生.
発明名称:OASIS遺伝子欠損マウス
特許番号:第4940477号
登録日:平成24年3月9日

発明者:今泉和則、近藤慎一、和中明生
発明名称:A transgenic mouse whose genome comprises a homozygous functional disruption of the endogenous OASIS (Old Astrocyte Specifically-Induced Substance) gene encoding a transcription factor, which mouse exhibits, relative to a wild type mouse, a phenotype that is characterized by deformed limbs and reduced spongy bone mass.
米国特許番号:7847148
公開日:2010年12月7日

第32回日本骨代謝学会学術賞受賞(2014)

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