生物の選択的金属結合能を利用した高選択的金属分離回収技術の開発

keywords.jpg金属濃縮・レアメタル分取・重金属除去・バイオテクノロジー 

植木 龍也 

TATSUYA UEKI

division.jpg理学研究科 生物科学専攻 動物科学講座

position.jpg准教授

研究概要

研究の背景

ホヤによるバナジウムの濃縮はその濃縮係数の高さ(海水濃度の1000万倍に達する)と金属選択性の高さという点で他の生命体に例を見ない生理現象です。この特異な生理現象は、金属イオンの選択的濃縮機構を解明する上で格好のモデルであり、長年にわたって化学と生物学の学際的問題として強い関心を引き付けてきました。

研究内容

我々はこの生理現象を、選択的濃縮機構、バナジウムの還元機構、濃縮のエネルギー機構の3つに分けて、それぞれに関与するタンパク質や遺伝子の探索とその機能解析を精力的に行い、世界をリードしてきました。特に我々が発見した新規バナジウム結合タンパク質VanabinやVBPはバナジウムを濃縮するホヤのみが持つユニークなタンパク質ファミリーであり、濃縮機構のカギを握ると考えています。

成果

私たちは、スジキレボヤおよびバナジウムボヤのVanabin遺伝子を大腸菌内で発現させると、野生型の約10~20倍の銅および2倍のバナジウムを濃縮することを見出しました。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

そこで、これらの大腸菌株を金属アキュムレーターとして利用するための開発を行なうとともに、その濃縮機構を詳細に調べ、それを応用した金属の高選択的分取・回収技術の開発の基礎的研究を進めています。

本研究の特徴・優位性

持続可能な社会を実現するために、必要な金属を安定的に得る技術あるいは有害な金属を除去する技術が求められています。

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S. Samino, H. Michibata, T. Ueki. Identification of a novel vanadium-binding protein by EST analysis on the most vanadium-rich ascidian, Ascidia gemmata. Mar. Biotechnol., 14, 143-154 (2012).

Ueki, T., Sakamoto, Y., Yamaguchi, N., Michibata, H. (2003) Bioaccumulation of copper ions by Escherichia coli expressing vanabin genes from the vanadium-rich ascidian, Ascidia sydneiensis samea. Appl. Environ. Microbiol., 69, 6442-6446.

「平成25年度マリンバイオテクノロジー論文賞」受賞

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