腫瘍検出のための生体内電磁波伝搬の研究

keywords.jpgCMOS集積回路,アンテナ,アンテナアレー,ウルトラワイドバンド,乳がん,共焦点画像処理,無線通信,等価時間サンプリング,超広帯域,集積回路 

吉川 公麿 

TAKAMARO KIKKAWA

division.jpgナノデバイス・バイオ融合科学研究所 ナノデバイス・バイオ融合科学研究所

position.jpg教授

研究概要

研究内容

本研究の意義は早期乳ガン検出をめざすため、中心周波数が3-10GHz帯域のウルトラワイドバンド(UWB)インパルス電磁波をUWBアンテナアレーから生体内へ放射し、誘電率と導電率が生体組織と異なる腫瘍界面で反射したインパルス電磁波をアンテナアレーで受信し合成画像化することであるが、今年度はUWBアンテナアレーを設計試作し、UWB-CMOS送信回路・受信回路・サンプリング回路のチップセットを開発し、アンテナ設計上やCMOS回路設計上の課題を抽出した。

成果

1.乳がん検出用のアンテナアレーの開発

シリコン基板上に複数のボウタイアンテナを形成し、共焦点画像処理アルゴリズムによって、乳がんファントムの画像化に成功した。放射信号は中心周波数15GHzのガウシアンモノサイクルパルス(GMP)を用い、ボウタイアンテナのサイズは7.16mm、フレア角は53°が最適であった。GMPは誘電率7の基板を透過して、誘電率30のターゲットで反射した。最小ターゲットサイズは3mm×3mmで深さ20mmの位置で検出できた。

2.GMPのデジタル信号処理回路設計

65nmCMOSテクノロジーで試作し、等価時間サンプリング回路により32GbS/sの超高速サンプリングレートを実現した。内部クロック発生回路は8段の2GHzフェーズロックループ(PLL)、16対1のマルチプレクサからなり、20mWの低消費電力を実現した。450MHz中心周波数のGMPをデジタル化することに成功した。

3.等価時間サンプリングによる共焦点画像処理

中心周波数3GHzのGMPを等価時間サンプリング回路でデジタル化し、1.53-4.8GHz帯域を持つスロットアンテナでターゲットの共焦点画像をとらえることに成功した。回路性能はサンプリングレート28.2GS/s、回路の入力帯域幅は3.3GHz、PLLのジッターは3.44ps、消費電力は50.7mWであった。

detailsubtitle3.jpg

特許:特願2008-241834異常組織検出装置及び異常組織検出方法
論文:T. Kikkawa, P. K. Saha, N. Sasaki, and K. Kimoto, IEEE Journal of Solid-State Circuits, Vol. 43, No. 5, May 2008, pp.1303-1312.
受賞: 平成12年度 応用物理学会論文賞受賞、平成20年度 応用物理学会中四国支部功績賞受賞
応用物理学会フェロー、米国電気電子学会(IEEE)フェロー

お問い合わせ