サッカーのゲーム構造論にもとづくコーチング理論の実践的展開と映像化に関する研究

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木庭 康樹 

KOUKI KINIWA

division.jpg総合科学研究科 総合科学専攻 行動科学講座

position.jpg助教

研究概要

研究の背景

 「戦術的ピリオダイゼーション理論(PTP)」とは,約30 年前にポルトガルのポルト大学のヴィクトル・フラーデ教授が発案したサッカー専門のトレーニング理論であり,これを採用しているジョゼ・モウリーニョ氏(現レアル・マドリード監督)がFCポルトやチェルシーで目覚しい結果を残すにつれて,近年世界的に注目度が高まっている理論のことである。

研究内容

 本研究は,「戦術的ピリオダイゼーション理論(PTP)」をスポーツ哲学の観点から体系的に考察し,これを「サッカーのゲーム構造論(SGS)」に接続させることで,両理論を拡張・統合させることを目的としている。また同時に,本研究では,それら両理論にもとづくコーチングコンセプトが,実際のコーチングの場面にも反映され具現化されうることを映像によって検証し,さらに,そのコーチングコンセプトと具体的なプレー場面をすり合わせた映像が,サッカーの初級者・中級者に対象としたコーチングにも有効であることを明らかにする。

成果

 かつてサッカー後進国であった日本は,コーチングの現場においても,先を急ぐあまり,サッカーの本質を理解しないまま,あるいは,サッカーの全体像を理解する前に,サッカーの各部分(技術・戦術・パス・ドリブル・シュートなど)ばかりへ目がいってしまい,サッカーを細分化して理解することがおよそ習慣化してしまっている。これに対し,本研究は,そのような細分化されてしまったサッカーの各部分を,「サッカーゲームとは何か」を問う哲学的思想研究で得られた「サッカーの本質」へと収束させ,各部分の概念的な整理と統合を行ったうえで,それぞれの概
念を統合された指導コンセプトとして視覚化し映像化し,最終的には教材化して,サッカーのより統合的かつ効率的なコーチング法を提示することができた。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

 本研究によって得られた映像を「iPad」によってコーチング現場で瞬時に利用可能とすることで,本研究の成果は,「いつでも,どこでも,誰でも活用可能な」「スポーツ映像のユビキタス」構想にもつながってくるのであり,スポーツ映像を学校教育やスポーツクラブの場に拡張する上での技術的・方法的意義を有している。

本研究の特徴・優位性

 サッカーのより統合的かつ効率的なコーチング法の実現

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● 平成16 年度日本体育学会奨励賞,第18 回筑波大学河本体育科学研究奨励賞

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