抗結核薬D-サイクロセリン生合成遺伝子の機能解析とその創薬研究への応用

keywords.jpg抗結核薬, D-サイクロセリン, 生合成, クローニング, 遺伝子破壊, 異種生産, 放線菌 

熊谷 孝則 

TAKANORI KUMAGAI

division.jpg医歯薬保健学研究院 応用生命科学部門

position.jpg准教授

研究概要

研究の背景

多剤耐性結核菌の出現により, 新規の抗結核薬を発見することの重要性が増大している。

研究内容

D-サイクロセリンに対する自己耐性遺伝子をプローブとして, D-サイクロセリン生産菌Streptomyces lavendulae ATCC11924から, D-サイクロセリン生合成遺伝子クラスターのクローニングを行った。また, 遺伝子破壊実験より, クラスターに含まれる遺伝子の機能解析を行った。さらに, D-サイクロセリン生合成遺伝子を大腸菌で発現させることにより, 大腸菌を宿主としたD-サイクロセリン生産系の構築を行った。

成果

D-サイクロセリンに対する自己耐性遺伝子を含む10遺伝子から成るクラスターをクローニングした。S. lividansを宿主とした異種発現により, 本クラスターがD-サイクロセリン生合成遺伝子を含むことを明らかにした。また, クラスターに含まれる遺伝子産物の相同性検索から, 推定のD-サイクロセリン生合成経路を提案するとともに, 遺伝子破壊実験により, D-サイクロセリンの生合成に必須な遺伝子を明らかにした。さらに, D-サイクロセリンの生合成に必須な4遺伝子を大腸菌に導入することにより, 大腸菌を宿主としてD-サイクロセリンを生産させることができた。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

D-サイクロセリンの生合成に関与する酵素の中には, 非常にユニークな反応を触媒するものが存在する。これら酵素を利用することにより, 新たな抗結核薬の創生が可能になるかも知れない。

本研究の特徴・優位性

D-サイクロセリンの生合成遺伝子クラスターは, 当研究により世界で初めてクローニングされたものである。

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Kumagai, T. et al. (2010) Antimicrob. Agents Chemother. 54, 1132-1139
Kumagai, T. et al. (2012) Antimicrob. Agents Chemother. 56, 3682-3689
Uda, N. et al. (2013) Antimicrob. Agents Chemother. 57, 2603-2612

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