ツメガエルの変態における甲状腺ホルモン受容体の発現量による甲状腺ホルモン感受性の調節

keywords.jpg両生類,変態,甲状腺ホルモン,甲状腺ホルモン受容体,アポトーシス 

矢尾板 芳郎 

YOSHIO YAOITA

division.jpg理学研究科 附属両生類研究施設 発生遺伝学研究部門

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

両生類の変態においては、甲状腺ホルモン(TH)の増加に従って既定の順序で一連の大規模な作り替えが起きる。後肢形成は低濃度のTHに反応して生じるが、尾の退縮はその一ヶ月後、THが最大になるクライマックスに見られる。

研究内容

組織特異的な作り替えのタイミングの分子基盤を研究するために、甲状腺ホルモン受容体(TR)発現ベクターをツメガエル幼生の尾の筋細胞に導入して低濃度のTHで処理し、TR過剰発現細胞のアポトーシスを解析した。

成果

TR過剰発現している尾の筋細胞は低濃度のthyroxine (T4)で死んだ。この細胞死は、T4をT3(活性型)に変換するtype 2 iodothyronine deiodinase (D2)を介して起きた。D2 mRNAは低濃度のTHに処理されたTR過剰発現細胞で誘導された。D2遺伝子プロモータはTR低親和性のTH応答配列を含んでいた。これらの結果は、尾の筋細胞がTR過剰発現によりD2活性を介して低濃度THに反応できるようになり、THシグナル応答が促進されることを示している。私たちは、低濃度T4への細胞応答性を増大させるpositive feedback loopモデルを提唱する。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

この研究は基礎研究であり、両生類の変態で、なぜ後肢の成長が尾の退縮の前に起きるかを説明している。

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Keisuke Nakajima, Kenta Fujimoto and Yoshio Yaoita
Regulation of thyroid hormone sensitivity by differential expression of the thyroid hormone receptor during Xenopus metamorphosis
Genes to Cells 17, 645-659, 2012

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