高分子の微細構造が巨視的な物性に与える影響の解明

keywords.jpg機能性高分子,振動分光 

勝本 之晶 

YUKITERU KATSUMOTO

division.jpg理学研究科 化学専攻 分子反応化学講座

position.jpg助教

研究概要

研究の背景

ビニル系高分子は主鎖に不斉炭素を持つため立体異性体が存在し,立体規則性が異なるとモノマー単位の化学構造が同じでもまったく異なった物性を示す.この原因を分子微細構造論から明らかにするための基礎研究を行っている.

研究内容

分子量・分子量分布・立体規則性を制御しつつ高分子を重合し,得られた高分子の各種溶媒に対する溶解度測定,各種分光測定,量子化学計算,高分子膜へのたんぱく質の吸着量測定,などを行った.

成果

(1) 特異性重合によって側鎖の空間配置を変えると,側鎖間相互作用と溶媒和のバランスが変わり,結果としてビニル系高分子の親水性が変わることがわかった.
(2) 立体規則性のわずかな差が水中でのたんぱく質吸着量を劇的に変化させうる.

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

医用高分子材料,吸水性高分子,刺激応答性高分子を扱う素材メーカーとの共同研究に期待している.

本研究の特徴・優位性

高分子材料の機能性を分子微細構造論の立場で理解することは,合成技術の発達,計算機科学の発展などがあって初めて可能になるため,近年ようやく始まった新しい試みである.

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Y. Katsumoto, et al. J. Phys. Chem. B. 114 (42) (2010) 13312.
Y. Katsumoto, et al. Macromolcules 43(6) (2010) 3120; Macromolecules 41(15) (2008) 5955.

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