加齢性内耳障害の予防、治療法開発の分子生物学的研究

keywords.jpg老化,内耳障害,治療,抗酸化剤 

工田 昌也 

MASAYA TAKUMIDA

division.jpg病院 感覚器・頭頚部診療科

position.jpg講師

研究概要

研究の背景

加齢による難聴やめまいは高齢者のQOLに大きな影響を及ぼし、社会的にもまた医学経済学的のも大きな問題となっている。同様に、高齢者のめまいが年々増加傾向にあることは既に20年以上前から報告されている。しかしながらこれらに対する対策はほとんど行われていない。

研究内容

老人性難聴、平衡障害の予防・治療法の確立のため、内耳での加齢に関る因子として、フリーラジカル、プロスタグランジンレセプター、エストロゲンレセプター、TRPチャネル、バゾプレッシン、IGFの内耳における局在を明らかにし、内耳での働きを解明するとともに加齢による変化を明らかにする。
これらの因子を制御することにより、加齢による内耳障害を予防し、治療を行う方法を確立し、その結果をもとに、老人性難聴、めまいに対して今回の研究で得られた成果を臨床応用し、高齢者のQOLの大きな改善をめざす。併せて、平衡機能を司る大脳の働きについてNIRSを用いて解析し、その結果をリハビリテーションに役立てる。

成果

加齢により、内耳での抗酸化能が軽減することが明らかとなった。
抗酸化剤の投与により老人性難聴や平衡障害の予防、治療がなしうる可能性が示唆されてきた。
直立時の身体平衡の維持には大脳の頭頂側頭領域が密接に関係し、特に体性感覚が乱れた時に活性化することが明らかとなった。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

製薬会社には新しい抗酸化剤の開発
食品会社には抗酸化作用を持つサプリメントの応用

本研究の特徴・優位性

抗酸化剤による内耳障害の治療、予防に関しては我々の研究が最初であり、特に臨床応用については我々の研究が最初になっている。それゆえ、今後の研究に関しては我々の研究が元になると考えられる。また、平衡機能と大脳皮質との関連についても我々の研究により、より明らかとなると考えられる。

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財団法人博慈会老人病研究所平成18年度優秀論文賞(平成18年1月31日)
論文:Takumida M, Anniko M: Radical scavengers for elderly patients with age-related hearing loss. Acta Otolaryngol 129: 36-44, 2009.

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