消化管機能調節作用を通した機能性食品成分

keywords.jpgポリフェノール,フラボノイド,オリゴ糖,消化管 

鈴木 卓弥 

TAKUYA SUZUKI

division.jpg生物圏科学研究科 生物機能開発学専攻

position.jpg准教授

研究概要

研究の背景

近年、消化管の透過性異常は、種々の疾患の発症や憎悪に関与することが知られている。それら疾患は、炎症性腸疾患、潰瘍、過敏性腸症候群などの消化器系疾患をはじめとし、肥満、メタボリックシンドローム、アルコール性肝障害などの代謝性疾患にも及ぶ。つまり、消化管透過性の恒常性の維持・保護作用を持つ食品成分は、多くの疾患の予防・軽減に役立つと考えられる。

研究内容

植物界に広く分布するポリフェノール類に着目し、消化管透過性への影響、炎症性腸疾患の改善作用を検討した。研究には、消化管上皮細胞と大腸炎モデルマウスを使用した。

成果

種々のポリフェノールのうち、ナリンゲニン、ケルセチン、ミリセチン、ケンフェロール、クルクミン、ヘスペレチンに、消化管透過性調節作用を見出した。なかでも、ナリンゲニン、ケルセチン、クルクミン、ヘスペレチンには、消化管透過性の恒常性を保つ作用と併せて、大腸炎を軽減する作用が認められた

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

普段の生活において、「消化管に不調を感じることがある」と答える人は、全国民の7割にも及ぶと言われている。このとき、自覚症状はないものの、消化管の透過性の上昇、軽度の消化管炎症を引き起こし、その繰り返しが消化器系疾患につながる。私たちが提案する「消化管透過性を調節する食品成分」は、多くの消化器系疾患、代謝性疾患の予防・軽減に役立つ機能性食品の開発に貢献できる。

本研究の特徴・優位性

現在、消化管バリア機能保護に着目した機能性食品は皆無であり、オリジナリティの高い機能性食品へ展開できる。また、ポリフェノール類は、我々にとって食経験が豊富なため、安全性も高い。

detailsubtitle3.jpg

1. Suzuki, T. et al. J Nutr 2011, 141, 87-94.
2. Suzuki, T. et al. J Nutr 2009, 139, 965-74.
3. Suzuki, T. et al. J Nutr Biochem 2011, 22, 401-8.

お問い合わせ