分子マーカーによる家畜・家禽の種・品種・個体識別法の開発

keywords.jpgDNA,分子マーカー,種判別,品種・個体識別,家畜,家禽,動物 

西堀 正英 

MASAHIDE NISHIBORI

division.jpg生物圏科学研究科 生物資源科学専攻 陸域動物生産学講座

position.jpg准教授

研究概要

研究の背景

DNAなどの分子マーカーを用いた動物の種、品種および個体識別のためには高価なシステムが必要であり、また作業工程が複雑である。そのため簡便な検出を行うために安価で信頼性の高い解析システムが求められている。そこで少ない個体数にも対応した解析に適した解析、検出システムの構築を目的として本法を開発した。

研究内容

本法では、サンプルに家畜ブタおよびアジア諸国で飼育されている比較的生産性の低い在来豚を用いた。分子マーカーにはSNP(一塩基多型:Single Nucleotide Polymorphism)を使用した。検出には蛍光を認識する装置を使い、低コストでの解析法を確立した。あわせて、生産性等に関る遺伝病の検出も同時にできるようなシステムを構築した。

成果

用いたブタ9集団を11の集団に分けられた。2つの集団ではともに混在していたが、これらはかつて品種間で交配が行われていた実績が文献に記載されており、そのようなこともDNA検査で明らかになった。この方法の精度・総合同値確率(P)を計算するとP =1.03×10-30であった。これより理論的には少なくとも1029頭のブタの識別が可能であると考えられた。FAOSTAT(2009)によると全世界のブタの飼養頭数は約9.4×108頭である。つまり世界中のブタを個体ごとにタイピングできることになる。したがって、本解析手法を用いることによって全世界のブタの個体識別が理論的に可能である今回開発した方法によるブタSNPs検出システムは品種鑑別や個体識別にも有用であるが示唆された。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

今後、ブタについてもウシのように個体番号をつけられ、トレーサビリティを日本並びに世界で実施されるようになった場合、豚肉の個体識別などの生産物の保障に対して必要な技術となる。

本研究の特徴・優位性

従来のDNA解析法に比べて、安くて正確である。

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DigiTag2法を用いたブタSNPs解析システムの構築とその分子系統解析への応用(西堀ら、2012)DNA多型・・・この発表により、日本DNA多型学会から、平成23年度優秀研究賞(2011年12月1日)を授与された。
URL Japanese Society for DNA Polymorphism Researchhttp://dnapol.umin.jp/ 

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