酵母のペプチド利用能改変を利用した分子育種とペプチド機能性評価系・スクリーニング系の構築

keywords.jpgユビキチン,蛋白質分解,酵母,オリゴペプチド,輸送体 

北村 憲司 

KENJI KITAMURA

division.jpg自然科学研究支援開発センター 遺伝子実験部門

position.jpg助教

研究概要

研究の背景

オリゴペプチドには細胞の栄養になる他、多様な生理機能を示すものが存在する。細胞外のアミノ酸やオリゴペプチドの取込みを調節できれば、微生物の高機能化、育種、機能性ペプチドのスクリーニングに役立つと考えられる。ペプチド利用制御機構の解明とその改変により、ペプチドやpeptidomimetic化合物の機能性評価系の構築、ペプチドを有効利用する手段の開発につなげる。

研究内容

ヒトのUbr1蛋白質は機能不全によりJohanson-Blizzard病を発症する事がわかっている。ヒトと同じ真核細胞でモデル実験生物の分裂酵母を用い、Ubr1様遺伝子をノックアウトした細胞が示す異常について調べている。酵母では、細胞外ペプチド利用の制御を含め、Ubr1様蛋白質が様々な生理機能を担う事を見つけている。

成果

分裂酵母S. pombeでは、Ubr11が働かないとペプチド輸送体遺伝子が発現せず、細胞外オリゴペプチドが利用できない事がわかった。また、人工甘味料アスパルテームの利用能亢進や他の特殊な修飾ペプチドへの細胞応答に変化を示す変異株、細胞外アミノ酸が利用できなくなった変異株などを単離した。異常の原因遺伝子や具体的な形質変化について詳しく調べている。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

(食品・製薬等)ペプチド機能の評価系を酵母で再構築し、有用ペプチド・peptidomimetic 化合物のスクリーニングや有効利用手段の開発、ヒト機能性ペプチドの作用機構の研究、酵母や他の微生物の育種などへ発展させる事が可能。

本研究の特徴・優位性

ペプチド取込能や代謝経路が変化した酵母細胞、酵母内在性輸送体を欠きヒトペプチド輸送体遺伝子のみを発現する酵母細胞などを利用し、従来とは異なる観点でのスクリーニング系構築や、ヒト細胞を用いる前段階の一次評価や安価なスクリーニング、微生物遺伝学手法によるペプチド作用機作の解明などへの適用が見込まれる。

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Molecular Micribiology (2011) 80, p739-
Eukaryotic Cell (2012) 11, p312-

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