むし歯治療のための新しい技術 -アメロゲニンを用いたエナメル質再生法-

keywords.jpg虫歯,エナメル蛋白,アメロゲニン,再生 

谷本 幸太郎 

KOTARO TANIMOTO

division.jpg医歯薬保健学研究院 口腔健康発育歯科 矯正歯科

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

エナメル質はエナメル芽細胞から分泌されるエナメル蛋白の作用により形成される。アメロゲニンは主要なエナメル蛋白であり、エナメル質の結晶生成に重要な役割を果たしている。本研究の目的は、エナメル質表面においてアメロゲニンを用いたハイドロキシアパタイト結晶誘導を行い、歯の修復治療に活用することを目的とした。

研究内容

抜去歯のエナメル質表面をカルシウムイオンとリン酸イオン、およびリコンビナントアメロゲニンを含有する溶液で16時間処理した。エナメル質表面上のハイドロキシアパタイト結晶生成を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察した。得られたAFM画像より、エナメル質の表面粗さ(Ra)を専用ソフトウエアを用いて算出した。

成果

アメロゲニン処理により、エナメル質表面に結晶生成が認められた。一方、アメロゲニンを含まない溶液では結晶生成は認められなかった。実験群におけるエナメル質における表面粗さ(Ra)は対照群に比較して有意に低下した。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

初期のカリエスを歯を切削することなく再生修復させる新しい治療法を確立するための基本技術である。実用化すれば、歯の切削を伴う人工物による充填治療を回避し、非侵襲かつ審美的に再生修復を達成できる。臨床治験に向けた安全性試験、およびアメロゲニンの大量精製法の確立が課題である。

本研究の特徴・優位性

従来法では、初期カリエスに対してフッ素塗布やプラークコントロールにより、再石灰化を期待する治療が一般的であるが、確実な方法ではない。本法は、エナメル質形成に重要な役割を果たすアメロゲニンを用いることにより、積極的に歯の修復を誘導する効果を有しているところに優位性が認められる。

detailsubtitle3.jpg

特願2011-027923、エナメル質再生液及びエナメル質再生キット (平成23年2月10日 出願)

お問い合わせ