霊芝菌糸体培養基熱水抽出物(MAK)の腸管炎症に対する防御効果に関する検討

keywords.jpgMAK、腸炎,GM-CSF 

上野 義隆 

YOSHITAKA UENO

division.jpg病院 内視鏡診療科

position.jpg助教

研究概要

研究の背景

霊芝として知られるGanoderma lucidum Karstは、中国や日本において種々の薬効を有する伝承薬として知られているが、腸管炎症に対する効果についてはこれまで報告がない。今回我々は霊芝菌糸体培養基熱水抽出物(MAK)による腸管炎症防御効果につき、動物モデルを用い検討する。

研究内容

霊芝菌糸体培養基熱水抽出物であるMAKの腸炎に対する有効性をマウスを使用し、検証する。マウスから腹腔内マクロファージ(PM)を採取し、in vitroにMAKを添加する。MAK混餌飼料与えた後trinitrobenzene sulphonic acid (TNBS)を注腸し、大腸炎を誘導させ、第3病日に屠殺し、腸管炎症を評価する。また大腸粘膜より単核球を分離した後、培養上清中のサイトカインをELISAにて測定する。さらにGM-CSFの抗炎症効果を検討するため、TNBS腸炎を誘導したMAK混餌飼料摂取マウスに抗GM-CSF抗体を投与し、腸炎の程度を評価する。

成果

MAKはマウスPMからのGM-CSF産生を濃度依存性に誘導した。マウス腸炎は、MAK混合飼料摂取により抑制された。また腸炎により低下する大腸組織からのGM-CSF産生はMAK投与群で回復した。さらにMAKによる腸炎抑制効果は、GM-CSF中和抗体の前投与により消失した。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

MAKはすでに健康食品として販売されており、安全性が確立されている。

本研究の特徴・優位性

GM-CSF全身投与による腸炎治療の可能性はすでにいくつかの論文があるが、好中球活性化に伴う全身的な副作用出現が問題視されている。今回の研究で得られた内因性GM-CSF誘導による腸炎抑制という概念は副作用出現の予防に繋がる可能性がある。

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Scand J Immunol 2011;74:454-462

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