肝細胞癌に高発現するmiRNA miR224の標的遺伝子の検討

keywords.jpg肝細胞癌 miRNA 

高橋 祥一 

SHOUICHI TAKAHASHI

division.jpg病院 消化器診療科

position.jpg講師

研究概要

研究の背景

近年non-cordingゲノム遺伝子領域から転写されるマイクロRNA(miRNA)が生体内で重要な役割をしていることがわかってきた.今回肝細胞癌において高発現するmiRNAを検討し,その標的遺伝子を同定することにより,肝癌の発生,増殖におけるmiRNAの役割を検討した.

研究内容

①肝癌手術材料の癌部と非癌部から抽出したmiRNAをreal-time PCRで増幅し,肝癌組織で高発現するmiRNAを同定する.②肝癌で高発現するmiRNAを正常細胞株に遺伝子導入し,発現量の変化する遺伝子のうち,当該miRNAが直接結合しうる遺伝子を,sequencing analysisおよびcDNAマイクロアレイで検討する.③cDNAマイクロアレイで抽出された候補遺伝子が,実際に当該miRNAにより発現制御されているかRT-PCRで確認する.またタンパク発現量の増減についても検討する.④肝癌手術材料の癌部と非癌部において,培養細胞株で得られた結果が実際に得られるかどうか検討する.

成果

肝癌手術材料からmiR-224が肝癌組織で高発現していることが確認された.さらに培養細胞を用いたcDNAマイクロアレイにて,miR-224強制発現時のCDC42,E-cadherin,PAK2の発現低下とBCL-2, MAPKの発現増強を認めた.さらに肝癌組織内でも同様の所見が得られ,miR-224の発現が増強している肝癌では接着因子の減弱による多臓器への転移のリスクが増加し,生存シグナルが増強することが示唆された.

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

慢性肝疾患患者の血液中(血液内exosome内)のmiR-224を測定することにより,画像で指摘できない肝発癌を予測し,腫瘍マーカーとして活用する.

本研究の特徴・優位性

癌細胞におけるマイクロRNAの発現の検討は多数あるが,ターゲットシークエンスとcDNAマイクロアレイを合わせて検討した研究は少なく,miRNAが直接制御している遺伝子の同定が可能である.

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