慢性皮膚粘膜カンジダ症患者における原因遺伝子の探索

keywords.jpg皮膚粘膜カンジダ症, 原発性免疫不全症候群, STAT1 

岡田 賢 

SATOSHI OKADA

division.jpg病院 造血器診療科

position.jpg病院助教

研究概要

研究の背景

慢性皮膚粘膜カンジダ症は, 皮膚, 爪, 口腔粘膜, 外陰部などを主病変とし, 反復性, 難治性カンジダ感染症を繰り返す先天性免疫不全症である。他の症状として, 自己免疫性疾患を合併することも知られている。これまで, 複数の責任遺伝子が同定されていたが, 大多数の患者は原因が不明であった。

研究内容

慢性皮膚粘膜カンジダ症の孤発例・家系例を対象に, 1) 直接シークエンス法による候補遺伝子の解析, 2) homozygosity mapping法を用いた候補遺伝子座の絞り込み, 3) 次世代シークエンサーを用いたエクソーム解析を組み合わせて, 責任遺伝子の同定を試みた。エクソーク解析の結果, STAT1が候補遺伝子と考えられたため, 患者コホートを対象にSTAT1の遺伝子解析を行った。同定されたSTAT1変異は, 遺伝子発現実験を用いて機能解析を行った。また、STAT1変異が同定された患者の末梢血の解析から, 患者ではTh17細胞が減少していることを同定した。

成果

STAT1の機能獲得変異が慢性皮膚粘膜カンジダ症の発症原因になることを同定した。さらにSTAT1の異常が、慢性皮膚粘膜カンジダ症の4割程度の患者で同定されること、Th17細胞の減少に関わっていることを明らかとした。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

慢性皮膚粘膜カンジダ症患者の診断に用いられるとともに, 遺伝カウンセリングを行うための重要な情報源として実用化可能と考えられる。

本研究の特徴・優位性

本研究により, STAT1の機能獲得性変異により慢性皮膚粘膜カンジダ症が引き起こされることを明らかとなった。病態解明が進むことで, 慢性皮膚粘膜カンジダ症患者に対する新たな治療法・治療薬の開発につながる可能性がある画期的な研究と考えられる。

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Liu L, Okada S, et al. Gain-of-function human STAT1 mutations impair IL-17 immunity and underlie chronic mucocutaneous candidiasis. J Exp Med. 208: 1635-1648, 2011 (equal authorship)

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