ブルガダ症候群におけるリスクの層別化について

keywords.jpgブルガダ症候群,心室細動,リスクの層別化 

中野 由紀子 

YUKIKO NAKANO

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研究概要

研究の背景

ブルガダ症候群は、普段は無症状で、若壮年で心室細動を発症し突然死に至る疾患の一つである。無症候性ブルガダ症候群を健診のブルガダ型心電図などで見つけて突然死を予防するという考えが浸透してきているが、ブルガダ症候群における心室細動・突然死リスクの層別化については一定の見解が得られていない。

研究内容

我々はブルガダ症候群のVFリスクと臨床的・基礎的パラメーターとの関連をretrospectiveとprospectiveに検討した。VF歴を予測する因子について、突然死の家族歴、失神歴、PAFの有無、12誘導心電図、心室加算平均心電図、EPSの各パラメーター、VF誘発の有無、SCN5Aプロモーターのハプロタイプ、SCN5A遺伝子変異の有無について、多変量解析で検討した。

成果

VF歴の予測因子はV2誘導でのspontaneous type 1心電図であり、VF歴とV2誘導でのspontaneous type 1心電図が引き続くVFイベントの予測因子であった。
SCN5A変異の有無とVFリスクの関連を認めなかったが、変異のある症例ではない症例に比べ伝導障害が強いことが明らかになった。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

現在、心電図の自動解析ソフトが導入されており、ブルガダ型心電図も判別出来るようなソフトも開発されている。その中で今回の研究で見つかったよりハイリスクの心電図も判別できる、心電図リスクの層別化が出来る解析ソフトの開発が望まれる。

本研究の特徴・優位性

本研究では、最も頻用されて何処でも測定出来る12誘導心電図の波形である程度リスクの層別化が出来るという結論であり、そういう意味では多くの患者さんへの臨床応用が期待出来る。

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Nakano Y, Tashiro S, Kinoshita E, Kinoshita-Kikuta E, Takenaka S, Miyoshi M, Ogi H, Sakoda E, Oda N, Suenari K, Tonouchi Y, Okimoto T, Hirai Y, Miura F, Yamaoka K, Koike T, Chayama K., Non-SCN5A Related Brugada Syndromes: Verification of Normal Splicing and Trafficking of SCN5A Without Exonic Mutations. Ann Hum Genet. 71:8-17. 2007
Yukiko Nakano, Wataru Shimizu, Hiroshi Ogi, Kazuyoshi Suenari, Noboru Oda, Yuko Makita, Kenta Kajihara, Yukoh Hirai, Akinori Sairaku, Takehito Tokuyama, Yukiji Tonouchi, Shigeyuki Ueda, Taijiro Sueda, Kazuaki Chayama and Yasuki Kihara, A Spontaneous Type 1 Electrocardiogram Pattern in the V2 Lead is an Independent Predictor of Ventricular Fibrillation in Brugada Syndrome. Europace 12 (3)410-6 2010

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