Candida albicans による歯肉線維芽細胞のCX3CL1 蛋白発現誘導

keywords.jpgCandida albicans , CX3CL1 

太田 耕司 

KOUJI OOTA

division.jpg病院 口腔再建外科

position.jpg助教

研究概要

研究の背景

口腔カンジダ症は,Candida albicans (Ca)を主な原因菌とする口腔粘膜感染症である.Caは口腔粘膜上皮を穿孔し,上皮層から間葉組織に侵入する.このため,口腔粘膜上皮細胞だけでなく,線維芽細胞もCaに対して防御機能を持っていることが考えられる.

研究内容

今回の研究で,口腔の線維芽細胞がCaに対する防御として様々な白血球遊走因子であるケモカインを発現していると仮定した.最初に歯肉線維芽細胞におけるCa接触による様々なケモカインの発現を検討した.その検討したケモカインの中でCa接触の際に最も発現が誘導されたCX3CL1の抗菌活性を検討した.

成果

Caを歯肉線維芽細胞に添加した際に12種類のケモカインのうちCX3CL1 が非添加時と比べ10倍以上の発現の増加を示した.またCa の生菌,加熱死菌を添加することにより歯肉線維芽細胞におけるCX3CL1 蛋白が増加した. CX3CL1の抗菌効果の検討を行った結果,CaにCX3CL1を添加することによって濃度依存的に生菌率が減少した.これらの結果からCX3CL1は抗真菌活性を持つことが明らかになった

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

歯肉線維芽細胞においてCa接触によってCX3CL1蛋白が発現することが証明された.さらにCX3CL1は抗真菌作用をもつことが示された. CX3CL1は口腔カンジダ症のマーカーあるいは抗菌ペプチドとしての使用が考えられる.

本研究の特徴・優位性

歯肉線維芽細胞の産生する抗菌ペプチドに関してはほとんど報告されていない.歯肉線維芽細胞はCa感染に対する免疫応答に重要な役割をしている可能性がある.

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Ohta K et al. FEMS medical microbiology and immunology, 2010 Nov;60(2):179-85.

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