細胞表面マーカーのパラレル分析が可能な抗体チップ

keywords.jpg再生医療,幹細胞,品質検査,微細加工,ハイスループット分析 

加藤 功一 

KOICHI KATO

division.jpg医歯薬保健学研究院 基礎生命科学部門

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

幹細胞ベースの再生治療を安全かつ効果的に実施するには移植細胞の品質管理が不可欠である。我々は、表面マーカーの発現パターンが細胞集団の分化ステージや均一性を特徴付ける重要なパラメーターであることに着目し、それを迅速に分析解析するための抗体チップを開発した。

研究内容

微細加工技術を活用して、小さいガラス基板上に表面マーカーに対する多種類の抗体を配列固定した抗体チップを作製した。このチップ上で各種の造血系腫瘍細胞株ならびに間葉系幹細胞株の結合アッセイを行った結果、それらの表面マーカーの発現パターンを簡便に調べることが可能であった。また、初代神経幹細胞のように不均質な細胞集団であっても、特定の幹細胞内に発現する細胞内マーカーとの相関を調べることによって、特定の幹細胞の含有率を求めることが可能であった。

成果

従来、細胞集団のキャラクタリゼーションにはフローサイトメトリー法が一般的であったが、多種類の表面マーカーの発現について分析するのは労力とコストの面において大きなマイナスであった。我々の開発した抗体チップを用いれば、従来法に比べ格段に高いスループットで分析を行うことが可能であり、その実用的意義は高い。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

本技術の実用化に向けて、再生医療のインフラ整備に関連する企業、組換え抗体の開発および用途開拓に興味をもつ企業などとの共同開発を望んでいる。結合細胞の検出装置の開発が課題である。

本研究の特徴・優位性

抗体チップを用いる分析法は、従来法であるフローサイトメトリー法に比べ、簡便かつ迅速な細胞表面マーカーの発現解析が可能であり、再生医療に用いる移植細胞の定性的・定量的な品質検査法として実用性が高い。

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Anal Chem 79:8616−23 (2007), Biomaterials 28:1289−97 (2007); 26:4882−91 (2005); 26:687−96 (2005). 平成16年度日本バイオマテリアル学会科学奨励賞

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