磁気標識した骨髄由来幹細胞と外磁場装置を用いた関節軟骨修復

keywords.jpg軟骨,幹細胞,造影剤,外磁場装置 

越智 光夫 

MITSUO OCHI

division.jpg医歯薬保健学研究院 統合健康科学部門

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

現在までに、間葉系幹細胞を関節内に注入し、軟骨修復を得られたとする様々な報告があるが、幹細胞を関節内に注入するのみでは、欠損部に効率的に細胞を集めることは困難であり、軟骨再生のためにはより多くの細胞を必要とする。しかし、関節内に注入する細胞数が多くなると瘢痕を生じるなどの合併症が報告されている。そのため、私達は骨髄間葉系幹細胞をMRI造影剤にて磁気標識した後に関節内に注入し、外磁場装置を用いて効率的に軟骨欠損部に細胞を誘導・集積させることにより、軟骨を再生させることを目指し研究を行っている

研究内容

ミニブタ(6か月)の腸骨より骨髄液を採取し単層培養後に得られた幹細胞を使用し、MRI造影剤により標識した(m-MSCs)。膝蓋骨中央に直径6mmの全層軟骨欠損を作成し、4週後に、関節鏡下に外磁場装置を用いて、m-MSCs:5×106個を軟骨欠損部に誘導し、10分間静置した群(A群)を作成。重力下にMSC:5×106個を軟骨欠損部に誘導し10分間静置した群(B群)、PBSのみを注射した群(C群)の3群を作成した。3か月、6か月後に軟骨欠損部の肉眼的、組織学的評価、超音波を用いて再生組織の硬度評価を行った。

成果

肉眼的・組織学的評価、また超音波測定においてA群はB、C群と比較し、良好な軟骨修復が得られ、軟骨再生医療において極めて有用な方法である。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

造影剤標識した幹細胞の品質・安全性試験を行い、臨床研究計画を厚生労働省ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会へ申請中である。

本研究の特徴・優位性

Scaffold を用いることなく、臨床応用されている最小限の薬剤を用いることで有効に幹細胞を軟骨損傷部に集積可能なことが本研究の最大の利点である。

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