窒素系ナノ複合水素貯蔵物質の研究開発

keywords.jpg水素貯蔵,ナノ複合物質,アンモニアボラン,アンモニア 

小島 由継 

YOSHITSUGU KOJIMA

division.jpg先進機能物質研究センター 先進機能物質研究センター

position.jpg教授

共同研究者 : 市川貴之 准教授, 宮岡裕樹 特任講師

研究概要

研究の背景

窒素系水素化物 (NH3BH3, NH3)の質量水素密度は18-20mass%と、水素吸蔵合金(1~3mass%)に比べ一桁大きく(Fig.1) 、燃料電池自動車や水素自動車に利用されている圧縮水素(35-70MPa)を用いた高圧水素貯蔵システム(内容積:156-171L)に比べコンパクト化、軽量化を図ることが可能である 。

研究内容

窒素系水素化物の水素吸蔵・放出速度(動力学特性)、反応温度(熱力学的安定性)は実用的な水素貯蔵材料(室温付近での水素吸蔵・放出)として不充分である。このような特性は単一水素化物のみでは達成できず、触媒や水素化物をナノレベルで複合化したナノ複合物質によって可能になるものと考えられる(Fig.2)。
 そこで、機械的粉砕法により、軽元素(Li, B, N, Mg, Na)を含む種々のナノ複合物質(水素化物-金属アミド,水素化物-アンモニアボラン、水素化物-アンモニア系)を作製し、それらの特性評価と構造解析を行った。

成果

(1)水素化リチウムとマグネシウムアミドのナノ複合物質は150℃で5.8mass%の水素を可逆的に吸蔵放出した。
(2)水素化ナトリウムとアンモニアボランの複合材料は90℃以下で11mass%以上の水素放出量を示すことがわかった。
(3)水素化物-アンモニアシステムを開発した。水素化物のナノサイズ化、触媒添加により室温で最大6mass%の水素を放出した。
(4)ナトリウムアミドは400℃で分解して、水素、窒素が発生した。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

想定業界:エネルギー産業、化学産業、自動車産業、
用途:CO2フリー再生可能エネルギーキャリア、エネルギー貯蔵材料、課題:室温での可逆的水素貯蔵

本研究の特徴・優位性

(1) 窒素系水素化物とアルカリ金属水素化物を複合化することにより室温~150℃で5.5mass%以上の水素を放出し、その体積水素密度は高圧水素(70MPaでの水素密度:3.9kgH2/100L)と同等以上(0.9~1.4倍)である。
(2) NH3中の水素の価格は20円~30円/水素1Nm3となり、水素の供給コスト(120円/Nm3)に比べ1/4以下である。NH3は水素エネルギーキャリアとして有望と考えられる。

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特許 特許公開2010-265138、特許公開2009-215103
論文 Y. Kojima et al., J. Mater. Res., 24, 2185 (2009), H. Yamamoto et al., Int. J. Hydrogen Energy 34, 9760 (2009)
Y. Kojima, Materials Science Forum, 654-656, 2935 (2010), H. Miyaoka et al., Int. J. Hydrogen Energy 36, 8217 (2011), S. Yamaguchi et al., Extended Abstract, JCREN (2013)
受賞 2007:Highly Cited Researchersに選定 (ISI HighlyCited.com), 2009:広島大学第8回(平成21年度)学長表彰, 2012:International Steering Committee of the International Symposia on Metal-Hydrogen Systems , CERTIFICATE OF APPRECIATION

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