転写因子BMAL1のゲノム網羅的研究

keywords.jpg体内時計,転写,代謝 

畠中 史幸 

FUMIYUKI HATANAKA

division.jpg医歯薬保健学研究院 基礎生命科学部門

position.jpg助教

研究概要

研究の背景

ヒトをはじめとする哺乳類において、概日リズムは睡眠、代謝、摂食など様々な生理機能に影響し、ホメオスタシスの維持と密接に関与している。この概日リズム発振の鍵となる遺伝子、BMAL1のゲノムワイドな支配領域はこれまで不明であった。

研究内容

我々は、概日リズムにおける階層的システムの分子機構をゲノムワイドに理解するために、全ゲノムクロマチン免疫沈降シーケンス法(Chromatin immunoprecipitation;ChIP-seq)およびマイクロアレイ法(ChIP-chip)を用いて、BMAL1のゲノム上結合部位の網羅的研究を行った。さらに得られた情報から、BMAL1を始めとして起こる遺伝子制御ネットワーク、さらに生理現象に及ぼす影響について検討した。

成果

ChIPーseqおよびChIP-chip解析から、150を超えるBMAL1結合領域を同定し、さらに配列特異的な遺伝子制御メカニズムを明らかにした。またBMAL1の直接的または間接的な下流に、代謝に関わる重要な遺伝子が多数存在していることを明らかにした。そこでBmal1KOマウスにおける遺伝子プロファイリングを行い、Bmal1と代謝遺伝子の関係を明らかにした。これらのことから、BMAL1を起点とする精巧な遺伝子調節ネットワークと代謝機構との連関を明らかにした。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

生体リズムを分子制御の観点から理解することは、体内時計を調節できうるシーズの開発につながり、生活習慣病の医薬品開発の足がかりとなると期待される。

本研究の特徴・優位性

ゲノムワイドな解析から得られた情報を用いることで、効率的なスクリーニングが可能である。

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Hatanaka F. et al., Genome-wide profiling of the core clock protein BMAL1 targets reveals strict relationship with metabolism., Mol. Cell. Biol., 30: 5636-48, 2010

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