哺乳類トランスポーターの低温忍容性と新規阻害剤の開発

keywords.jpgトランスポーター,低温忍容性,汎トランスポーター阻害剤 

湯元 良子 

RYOUKO YUMOTO

division.jpg医歯薬保健学研究院 基礎生命科学部門

position.jpg講師

研究概要

研究の背景

一般に薬物の生体膜輸送の実験手法は、細胞系や膜小胞系を用い、被検物質の取り込み過程と氷冷バッファーを用いた洗浄過程からなる。しかしトランスポーターが氷冷下でも高活性に機能する(低温忍容性を示す)場合には、評価不能に陥る可能性がある。本研究では、トランスポーターの低温忍容性解明と、輸送機能評価のための新規阻害剤開発を目的とした。

研究内容

ヒト赤血球膜小胞を用い、GLUT1介在性グルコース輸送やENT1介在性ウリジンの輸送について、通常温度および氷冷下で解析した。

成果

赤血球膜に存在するヌクレオシドトランスポーターENT1およびグルコーストランスポーターGLUT1は、氷冷下でも機能し、氷冷バッファーに輸送阻害剤を加えない場合は、正しい機能評価が行えないことが判明した。現在、どのようなトランスポーターに対しても阻害効果を発揮する汎トランスポーター阻害剤の開発を進めている。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

実験試薬の企業

本研究の特徴・優位性

これまでにこのような研究はなく、新規性・独自性の高い研究である。
 汎トランスポーター阻害剤の開発は、アカデミア、製薬企業におけるトランスポート研究に有用である。

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1) Takano, M. Kimura, E., Suzuki, S. Nagai, J. and Yumoto R.: Human erythrocyte nucleoside transporter ENT1 functions at ice-cold temperatures. Drug Metab. Pharmacokinet., 25, 351-360 (2010)
2) Yumoto, R., Kimura, E., Suzuki, S., Imaoka, H. and Nagai, J. and Takano, M.: Transport characteristics of ribavirin in human erythrocyte membrane vesicles. Membrane, 34, 152-158 (2010)

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