最適とろみ濃度決定のための口腔・咽頭機能アセスメント

keywords.jpg高齢者,歯科補綴,摂食・嚥下リハビリテーション 

吉川 峰加 

MINEKA YOSHIKAWA

division.jpg医歯薬保健学研究院 応用生命科学部門

position.jpg准教授

研究概要

研究の背景

摂食・嚥下障害を有する高齢者では水やお茶などの液体はむせやすく誤嚥しやすいため,とろみ調整剤を添加している現状がある.しかしながら,とろみ調整剤の添加に関する研究は大半が物性・官能評価であり,生理学的立場からの検討はほとんどなされていない.臨床現場は経験則から調整剤を選択し,添加量を決めて対応しているのが現実であり,この問題の解決に向けて,「安全」で「飲み込みやすい」とろみ濃度に関する基準作りと嚥下障害者を対象とした摂食・嚥下機能の生理学的検証が是非とも必要である.

研究内容

摂食・嚥下機能に問題のない健常若年者・健常高齢者ならびに軽度~重度摂食・嚥下障害患者を対象に口腔・咽頭機能評価と濃度別の試料摂取時の嚥下動態をビデオ嚥下造影検査,ビデオ嚥下内視鏡検査や表面筋電図,舌圧測定検査,嚥下音等の精密検査で検討し,口腔・咽頭機能,嚥下精密検査ならびに官能評価結果との関連性を明らかにする.

成果

現在,健常若年者を対象とする調査を実施中であり,とろみ濃度が高くなるにつれて嚥下所要時間も延長していた.また,健常若年者においても嚥下に個性があり,嗜好も伴って官能評価結果と嚥下動態に相関を認めない傾向である.今後は引き続き健常高齢者や摂食・嚥下障害者へ対象を広げデータを蓄積する予定である.

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

口腔・咽頭機能評価を通じて,我が国で急増する高齢者を対象とした食品の開発等に貢献可能である.

本研究の特徴・優位性

口腔・咽頭機能の検査と最適なとろみ濃度との間に関連性を認められれば,嚥下障害者の食事環境はより安全かつ快適なものへ改善可能である.このことより,食事介助される側のみならず介助する側にも大変なメリットとなり,今まさに直面している超高齢社会に大きく貢献できる.

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Yoshikawa M, Yoshida M, Tsuga K, Akagawa Y, Groher ME. Comparison of three types of tongue
pressure measurement devices. Dysphagia 2011; 26(3): 232-237.
「咬合接触と嚥下機能に関する検討」 日本咀嚼学会第19回学術大会にて優秀ポスター賞受賞
「らくらく食パンTM開発に携わって」日本咀嚼学会第22回総会・学術大会 易咀嚼性食品に関するシンポジウム(2011年10月,愛知県)

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