内在性好熱性細菌を用いる余剰汚泥の高度分解処理技術

keywords.jpg余剰汚泥,好熱性細菌,プロテアーゼ,システム開発,リアルオプション評価 

柿薗 俊英 

TOSHIHIDE KAKIZONO

division.jpg先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 代謝変換制御学研究室

position.jpg准教授

研究概要

研究内容

現在,工場・家庭などから排出される廃水は,細菌などの微生物を利用した活性汚泥法により処理されている。この方法は,良好な処理水質が得られる反面,汚濁物質を浄化する段階で微生物が増殖し,余剰汚泥が発生する欠点がある。この余剰汚泥の現行処理法である焼却法には,ダイオキシンなど二次汚染物質の発生が懸念されるため,代替案がいくつか提案されてきているが,物理的な破砕やオゾン処理では,廃水処理の負荷が増えるだけであり,処理コストと効率に優れた処理法の開発が望まれている。
 本研究では,好熱性細菌の特性を活かし,高温可溶化処理することにより,分解収率が40%まで向上し,COD負荷も低減し,更には設備投資や維持管理経費などのコストも低減可能とする効率的な処理法を開発している。これまでの成果として,分解促進に関与する溶解酵素や分解を阻害する物質の存在を確認しており,今後は汚泥の完全分解(分解収率90%以上)を目指した新技術を確立するため,共同研究をしていきたい。
<用語説明>①好熱性細菌:ここでの好熱性細菌は,50~70℃で生育可能なバクテリアの総称を言う。その耐熱メカニズムの解明することが,様々な実用展開につながるため,近年大変注目されている生物である。②余剰汚泥:微生物類が廃水中の有機物を炭酸ガスと水に分解する一方で,有機物の一部を栄養として細胞増殖したものを言う。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

企業と実用化のための共同研究を行いたい。

本研究の特徴・優位性

加温するだけで汚泥中の常温細菌を溶解させ,これを汚泥に内在する好熱性細菌により分解処理させるシンプルな方法。従来式のメタン発酵では汚泥処理が3割程度進むだけで1ヶ月かかるが,本法では3ー4日で半減できる。

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