Thrust plate hip prosthesisの臨床的ならびにX線学的検討- 179関節の5-14年経過観察 -

keywords.jpga bone preserving prosthesis;thrust plate prosthesis;THA  

安永 裕司 

YUJI YASUNAGA

division.jpg医歯薬学総合研究科 寄附講座 人工関節・生体材料学

position.jpg寄附講座教授

研究概要

研究の背景

Thrust plate hip prosthesis (TPP)は1978年にスイスのHugglerらによって開発された骨温存型の人工股関節である。髄内挿入型の従来のステムは2軸性であるのに対して、TPPは1軸性で荷重伝達がより生理的である。

研究内容

変形性股関節症(OA)87関節、大腿骨頭壊死症(ON)92関節に対してTPPを用いて関節置換を行った。手術時平均年齢はOA群55歳、ON群47.4歳であり、平均観察期間はOA群97ヶ月、ON群104ヶ月であった。

成果

Merled’Aubigneの臨床評価はOA群で術前8.2から最終観察時16.9へ、ON群では9.1から16.6へ改善した。術後早期の機械的弛みはOA群で2関節、ON群で1関節に生じた。ON群の1例で術後5年時に晩期感染のため両側のTPPを抜去した。ON群の2関節で術後10年時にlateral plate部での骨折を生じ、再置換した。
 TPPの抜去をエンドポイントとした生存率は、術後13年でOA群97.7%、ON群90.3%であった。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

TPPは2006年に機能ならびに材質の不備によらない理由で製造中止となった。
骨温存と生理的荷重伝達の観点から優れた人工股関節であり、長期成績も従来の人工股関節と遜色はない。1日も早い復活が望まれる。

本研究の特徴・優位性

骨温存型であるため、若年者でやむを得ず人工股関節置換術を適応とする場合に有用なインプラントである。
近年、骨温存が可能なメタルオンメタルの表面置換型人工股関節が注目されていたが、金属摩耗粉が原因と考えられる偽腫瘍などの副作用が、多施設から報告されつつある。
 TPPは上述のような副作用はなく、安全な人工股関節である。

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Arch Orthop Trauma Surg. 2012 132:547-54.
Arch Orthop Trauma Surg. 2004 124:357-62.
J Orthop Sci. 2003;86:818-22

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