耐故障性を有する機械制御システムの構成法

keywords.jpg耐故障,フィードバック制御,最適化,移動体 

和田 信敬 

NOBUTAKA WADA

division.jpg工学研究院 機械システム・応用力学部門 知能化生産工学講座

position.jpg准教授

研究概要

研究の背景

近年,エネルギ効率の改善や,性能・機能の向上による付加価値の向上のため,機械システムはますます大規模化・複雑化している.このように複雑大規模化した機械システムにおいては,その構成要素が故障した場合に,たとえそれが一部であったとしても,機械システムの性能が大幅に劣化し,最悪の場合,機能全体が失われてしまう場合がある.そのため,特に人命に直接関わる機械システムにおいては,装置の一部が故障した場合にも,出来るだけ機能が保持されるようにシステム設計を行っておく必要がある.

研究内容

入力チャンネルに冗長性するシステムでは,ある入力チャンネルが故障しても,残りの入力チャンネルを活用することで,制御を継続することが可能となる場合がある.ある入力チャンネルが故障した場合に,他の入力チャンネルへの制御信号の分配量を決定する方法の一つに,実時間最適化に基づく制御分配器を用いる方法がある.この方法には,制御器の設計と制御分配器の設計を分離できるためシステム設計が容易であり,また,オンラインでの計算量が少ないといった利点がある.しかしながら,どの程度の故障の下では,システムの安定性や制御性能を維持できるか不明であった.そこで,制御分配器を含むシステム全体の安定性を系統的に評価する手法,および,制御性能が出来るだけ保持される制御器の設計法について検討した.

成果

・入力チャンネルに故障が発生した場合における制御システムの安定性を評価する手法を構築した.
・上記の成果に基づき,故障発生時に制御性能の劣化を最小限に抑える制御系設計法を構築した.
・Steer-by-Wireを搭載した自動車の制御問題を例題とし,数値シミュレーションにより有効性を確認した.

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

近年,予防安全技術の導入,車両の軽量化を目的として,自動車の電動化,バイワイア化が進んでいる.そのような車両システムに対して提案法は有効であると考えられる.なお,同様の制御問題は,航空機や船舶などの分野においても見られる.

本研究の特徴・優位性

・提案法は凸2次計画問題に帰着されるため,オンラインでの計算量が少ない.
・出力フィードバックで実現出来る.
・システムの安定性が厳密に保証される.

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[1]N. Wada et al.: Model Predictive Tracking Control for a Linear System under Time-varying Input Constraints; International Journal of Robust and Nonlinear Control, to appear
[2]和田他:実時間最適化に基づく耐故障車両制御,計測自動制御学会制御部門大会資料,2012

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