人の幸せを規定する主因子を解明する研究

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早瀬 光司 

KOUJI HAYASE

division.jpg総合科学研究科 総合科学専攻 社会文明研究講座

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

 人が幸福感を求めるとき,「所有する」と「行動する」のうち,どちらをより重視しているか,についての研究からスタートした。
 そして,それが「人の幸せ」とどのように関わっているかを探求するうちに,ある因子が「人の幸せ」と重要な関連を持っていることが見出された。

研究内容

 2011 年の2月に日本国内で,1110 名を対象に,インターネットアンケート調査を行った。初期に得られた結果としては,男性,若い人,学歴の低い人の方が,より「所有する幸福感」の方を「行動する幸福感」よりも重視するということであった。先行研究は,米国で唯一あり,男性,学歴の低い人,年収の低い人の方が,より「所有する幸福感」を選好するというものであり,日米で相関が一致する属性と相違する属性の双方があり,日米での比較研究の必要性が示された。

成果

 さらなる解析の結果,「人の幸せ」に強く関わる因子として,「自分に気がかりな思いや懸念を引きずる」という因子が見出された。右図では,正又は負の有意な相関が認められた因子間のみを矢印で結んでいる(p<0.001)。ただし,矢印は,因果(原因と結果)を指しているものではないことを記しておきたい。「自分に気がかりな思いや懸念を引きずる」という因子は,「所有指向」「劣等感」「腹立ち」などの因子と正の相関を示し,「心を制御できる」「日常生活を味わい楽しめる」などの因子とは,負の相関を示していることがわかった。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

 上記の知見が,人が実際に生活していく上での,有益な指標となり,「人の幸せ」に有効につながっていくことが望まれる。

本研究の特徴・優位性

 「自分に気がかりな思いや懸念を引きずる」という因子を,見出したことが,本研究の特徴,及び,優位性である。この因子は,人間生活の様々な多くの場面で,人の思考や行動に大きな影響を与えているが,それらを理論的,及び,実践的に解明することが不可欠である。それにより,「人の幸せ」の研究が大きく進展するであろう。

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● Journal of Happiness Studies

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