電磁波からの人体防護を考慮した自動車用パワーエレクトロニクス機器の研究

keywords.jpg次世代自動車,HV,PHV,EV,電磁波,パワーエレクトロニクス,非接触充電システム 

勝代 健次 

KENJI SHODAI

division.jpg産学・地域連携センター

position.jpg特任教授

研究概要

研究の背景

広島地域に競合力のある次世代自動車部品産業を創出させるため、電磁波からの人体防護を考慮した高効率パワーエレクトロニクス技術を確立する。

研究内容

次世代自動車に使われる大電力制御システムや非接触充電システムでは、大電流を高い周波数でスイッチングすることから、大きな電磁波を発生する。一方、軽量化の為、部品や車体の樹脂化が進み、電磁波シールドが難しくなってきている。こうした電磁波が人体や他の機器に影響を与えないよう、不要輻射の少ないパワーエレクトロニクスの研究開発と軽量なシールド構造、部材の研究開発を行っている。

成果

■ 電動車両部品が発生する電磁波が人体へ及ぼす影響調査
・電磁波が人体へ及ぼす「刺激作用」「熱作用」「非熱作用」及び「植え込み機器への影響」を調査し機器開発において守るべき電磁波強度や植え込み機器を使われている方への注意喚起方法について明らかにした。 
・各種市販電動車両の電磁界計測を行い、現状把握を行った。
■ 次世代自動車用バッテリパックの研究開発
・地域企業と共同で軽量、高エネルギー密度バッテリパックの研究開発を行っている。研究開発の主なポイントは、電磁波シールドを考慮をした樹脂化、高効率双方向DCDCコンバータ、トータル熱マネージメント技術の実現である。
-平成24年度広島県次世代自動車技術開発補助金に係る補助事業 「高効率なEVバッテリパックの研究開発」共同研究
-平成25年度広島県次世代ものづくり技術開発促進に係る補助事業 「高効率なEVバッテリパックの研究開発」共同研究
-平成26年度広島県次世代ものづくり技術開発支援補助事業  「EV用バッテリパックの熱マネージメント技術開発」共同研究
■ 磁界共鳴式非接触充電システムの研究
・国際標準化が検討され、各国で研究が進んでいる非接触充電システムを地域企業と共同研究中である。
・法規的に自由に実験できる50wattの実験ベンチと各種シミュレーションツールを用い、磁界共鳴式 非接触充電システムの原理を明らかにした。
・実験とシミュレーションにより、電力伝送総合効率80%~90%実現の目途を立て、現在、実用の3kwattシステムの試作検討を行っている。
-平成23年~地域イノベーションの中核を担う研究者の集積(文科省)
-平成24年~25年、研究成果展開事業 研究成果最適化展開支援プログラム
 FSステージ検索タイプ「電磁波による人体への影響を防護した電動車両用非接触充電システムの研究」(JST)

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

自動車業界の次世代自動車(ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車)の電動車両部品へ活用できる。また、大電力の非接触充電技術は、自動車以外の産業機器やロボット等への給電用としても可能性がある。地域の課題は、カーエレクトロニクス技術の蓄積が少ないため人材を育成し対応力を高める必要がある。

本研究の特徴・優位性

次世代自動車では、電動化と軽量化の為の樹脂化が同時に進み、電磁波の漏洩リスクが大きくなる。また、非接触充電では、磁界を使って電力伝送を行うため、漏洩磁界を抑制しないと周囲への影響が大きい。この対応として人にも他の機器にも安全で安心なパワーエレクトロニクスの実現を目指している。

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