確率動的ゲーム理論を応用した省エネルギー制御系設計

keywords.jpg省エネルギー,ナッシュゲーム 

向谷 博明 

HIROAKI MUKAIDANI

division.jpg工学研究院 情報部門

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

電力システムに例証されるように, 停電などの大幅な環境変化や電力需要の短時間での変動, あるいは対象となるシステムダイナミクスのモデル化誤差が,システムの安定な運用を阻害させる原因であることが知られている.結果として, 既存の制御理論のみに基づく制御系設計では,システムの挙動を十分に把握できず, システムの定常運転が出来ず, 運用コストの低減が達成されないといった状況を引き起こす.

研究内容

電力システムにおける停電等, 劇的パラメータ変動に対して頑強(ロバスト)な確率分散制御戦略の開発を行う. また,ナッシュ均衡戦略の概念を導入し,電力生成時に必要な消費コストの低減を図る.

成果

大規模確率システムを扱うことで, 確率分散戦略が,ナッシュ均衡状態を満足するだけでなく,パレート最適性,および準最適制御性能を満足することが判明している.

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

当該研究が,高機能確率分散制御のパイオニア的存在としての地位を確立することが大いに期待される.本研究で扱われる確率システムは, 電力システムだけでなく, スマートグリッド,被災現場等の利用を想定したアドホックネットワークへの応用が期待されている技術である.劇的なモデル変動や不確定外乱に対してロバストな確率ナッシュ均衡論に基づく分散型戦略設計アルゴリズム完備されれば,情報通信ネットワーク分野,ロボット工学,レスキュー工学に応用され,飛躍的進展と大いなる成果が期待される.

本研究の特徴・優位性

本研究では, 停電や動作点の移行等, システムの構造自体が劇的に変化してもロバスト性を有する確率戦略が構築できるところが大きな特徴である. これらを可能にする理論の基盤として, 初めて確率システムの概念を導入する.

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H.Mukaidani, ``A New Design Approach for Solving Linear Quadratic Nash Games of Multiparameter Singularly Perturbed Systems,’’ IEEE Trans. Circuits & Systems I: Regular Papers, Vol.52, No.5, pp.960-974, 2005.

H. Mukaidani and H. Xu, ``Pareto Optimal Strategy for Stochastic Weakly Coupled Large Scale Systems with State Dependent System Noise,'' IEEE Trans. Automatic Control, Vol.54, No.9, pp.2244-2250, 2009.

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