ポリマー/有機・無機ナノコンポジット材料の開発

keywords.jpgポリマーナノコンポジット,ナノ粒子分散,超臨界流体,レオロジー 

木原 伸一 

SHIN-ICHI KIHARA

division.jpg工学研究院 物質化学工学部門 化学工学講座

position.jpg准教授

研究概要

研究の背景

ポリマー中に有機・無機ナノ粒子をシングルナノメートルのスケールで分散させ、構造化させることにより従来にない高機能性ポリマー材料が開発されると期待されている。しかし、環境に優しく簡便なナノ粒子分散方法は確立しておらず、その期待される効果は十分には発現できていないのが現状である。

研究内容

新規に開発した高圧二軸混練機を用いて、超臨界二酸化炭素雰囲気でポリマーを可塑化(ガラス転移温度を下げ)し、ゴムに近い状態で低温混練しながら、超臨界二酸化炭素に溶解させた金属錯体を導入・収着することにより、ナノ粒子分散ポリマー材料を創製した。

成果

汎用ポリスチレン(ガラス転移温度100℃)にCu錯体を混練温度90~150℃、二酸化炭素12MPa雰囲気で混練した結果、ポリマーのかみ合い相関長で制御されたシングルナノメートルスケールの粒子分散が達成された。粒子体積分率が0.01程度という低い状態でも、ゼロせん断粘度が1/10に低下し、誘電率は1.2倍に増加するが、ガラス転移温度はほとんど変化しないなど、ナノスケールの効果が見られる材料が創製された。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

ポリマーのマスターバッチ簡易開発、低温下や非有機溶媒下でファイン混練が必要なポリマー材料開発、導電性や光学特性の変調など金属ナノ粒子分散が求められる分野への応用。

本研究の特徴・優位性

従来法には、多量の有機溶媒を用いるin-situ重合法や有機溶媒法の他、溶媒を用いない溶融混練法がある。前者は脱溶媒工程が必要であり、後者は高せん断流動下で実施され発熱等によるポリマー分解が生じ、また、特殊な界面活性剤が必要である。一方で、本手法は、超臨界二酸化炭素等の高圧流体の可塑化を利用して、従来混練が困難であった、大気圧下のガラス転移温度や融点近傍で材料劣化を抑えながら混練でき、脱気プロセスが不要である点でプロセス的に従来法よりも優れており、しかもシングルナノメートルスケールで粒子分散が達成できる特徴がある。

detailsubtitle3.jpg

Shin-ichi Kihara, Masaaki Okamoto, Ai Nagira, Masashi Haruki, and Shigeki Takishima , “Development of Polymer/Nanoparticle composite Materials Using High Pressure Fluids” ,Asian Joint Conference on Advanced Polymer Processing, 2011/9/4-8, Huanghai Hotel, Tsingtau, China

お問い合わせ