バイオマスの増大植物の開発研究

keywords.jpg植物,遺伝子,遺伝子組換え,細胞壁 

田中 伸和 

NOBUKAZU TANAKA

division.jpg自然科学研究支援開発センター 遺伝子実験部門

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

低炭素社会においては、二酸化炭素固定能が高くバイオマスが増加した植物が有用であり、外来遺伝子導入によって新規遺伝子組換え植物の創出が求められている。

研究内容

陸上で最大のバイオマスは木質細胞にある二次細胞壁であるが、その蓄積機構は明らかでない。最近、アラビノガラクタンタンパク質(AGP)が二次細胞壁蓄積においてに重要な役割を果たすことが報告されている。AGPの機能解明が二次細胞壁蓄積機構の解明に役立つものと思われるが、その90%以上を占める糖鎖が解明の妨げとなっていた。そこで我々は、AGPの機能には糖鎖組成が重要であるという仮説を基に、糖鎖組成を改変し、表現型との関係を明らかにする研究を行っている。

成果

AGPの糖鎖組成を改変するために、植物で糖ヌクレオチド輸送体(UDP-ガラクトース輸送体, hUGT1)遺伝子を過剰発現したところ、細胞壁の肥厚が見られた。この植物のAGPは高ガラクトース化されていた。AGPの糖鎖組成の変化が細胞壁の肥厚に関係することが分かった。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

想定業界:燃料メーカー、製紙メーカー、化学メーカー、作物・植物改良研究所等
用途:バイオエタノール、紙パルプの原料
課題:リグニンの除去
企業への期待:本技術に最適な植物の選択

本研究の特徴・優位性

これまではセルロース合成酵素などの細胞壁合成に関わる遺伝子の導入などが考えられたが、細胞壁の厚みを増加できたという報告はほとんどない。本技術は細胞壁肥厚によるバイオマスの増産を広い範囲の植物に適用できる新たな方法である。

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Khalil et al., The impact of the overexpression of human UDP-galactose transporter gene hUGT1 in tobacco plants.J. Biosci. Bioeng., 109, 159-169 (2010).

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