極微量放射線計測による環境放射能の測定と評価

keywords.jpg放射能,Ge検出器,ガンマ線スペクトロメトリ,原爆,黒い雨 

靜間 清 

KIYOSHI SHIZUMA

division.jpg工学研究院 エネルギー・環境部門 エネルギー工学講座

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

広島は原爆被曝地であり、市内の爆心地近くでは現在でも微量の残留放射能が検出される。また、黒い雨の痕跡にも放射能が含まれている。微量放射線計測により原爆放射線の影響を明らかにすることができ、福島原発事故においても放射能の分布について詳細な情報を示すことが可能である。

研究内容

微量の放射能を計測するには天然放射能の影響を低減する必要がある。本研究においては宇宙線逆同時計数装置を有する低バックグラウンド井戸型Geスペクトロメータを開発した。この装置により広島、長崎に残る被曝試料の原爆残留放射能152Eu, 60Coの分布を明らかにした。また、原爆資料館に展示されている黒い雨の壁について核分裂生成核137Cs を検出した。放射線の影響調査として福島原発事故により放出された放射能を検出し、その定量的な分布を明らかにすることにより住民の不安の解消に役立てることができる。

成果

広島、長崎の原爆被爆生存者の受けた放射線量のうち、特に
中性子線量の評価のもととなったDS02の基礎データを提供した。
原爆のすぐあとで集められた土壌試料の測定によりフォールアウトの量と分布範囲を明らかにした。福島の住人の尿検査より
甲状腺被曝線量を明らかにした。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

すでに本検出器の有効性を示してきた。さらに成果を上げるには環境中の微量放射能の検出にはサンプルの簡易濃縮を行うことが有効である。大気、水、土壌の測定において濃縮技術を開発することにより、井戸型Ge検出器のさらなる有効性を示すことができる。

本研究の特徴・優位性

井戸型Ge検出器を使用していることと、通常の遮蔽体に比べて宇宙線逆同時計数法により地下実験室に匹敵する低レベル放射線計測を通常の実験室で実現した。

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原著論文20編以上、受賞なし

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