透明ガエル「スケルピョン」の作製と利用

keywords.jpg透明ガエル,スケルピョン,人工交配,色彩突然変異,実験動物 

住田 正幸 

MASAYUKI SUMIDA

division.jpg理学研究科 附属両生類研究施設 多様化機構研究部門

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

カエルは幼生期も成体期も、その皮膚は色素細胞で覆われているため、外部から内臓を観察することは容易ではない。解剖せずに内臓を観察できる実験動物の開発が望まれていた。本研究では、生きている成体で外部から内臓を透視できる透明ガエルを提供する。

研究内容

私たちは、両生類研究施設で飼育・継代維持されている色彩突然変異(ブラックアイとグレーアイ)を用いて、これらの両方の遺伝子座でホモ接合となる交配によって、皮膚が透明で内臓が透視できる「透明ガエル」を作製し、「スケルピョン」と名付けた。

成果

「スケルピョン」は体壁が透明で、幼生期から成体期にいたるすべての段階で、内臓を外から透視できる。解剖する必要がないため、同一個体の内臓を繰り返し一生にわたって観察できる。たとえば、内臓の成長や成熟、老化の過程、癌などの発生や進行の過程、およびそれらの病気の治療法などの研究に利用可能である。たとえば、化学物質の肝臓や骨などへの影響を、簡便かつ低コストで、解剖することなく生きたままで観察でき、さらに毒性影響の程度を経時的に観察評価できる。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

環境学、医学、生物学、薬学、教育学などの分野での研究用の実験動物と、小学校・中学校・高校などの生物教材(内臓の観察)との販売事業に係わる企業との共同研究、技術指導、助言などが可能である。また、観賞用カエル(ペット)としての作製販売事業も可能である。現在、「スケルピョン」の量産化に向けて準備をすすめているが、2代目の「スケルピョン」は生活力が弱いため、以降の継代飼育がかなり困難である。安定した系代飼育のため改良が必要である。今後、実用化に向けて、さらに背面の透明度を上げるような工夫(黄色素胞を欠く突然変異を導入)も必要である。

本研究の特徴・優位性

「スケルピョン」は解剖する必要がないため、同一個体の内臓を繰り返し一生にわたって観察できる。内臓の成長、老化の過程、癌などの発生や進行過程を調べるのに有用である。「スケルピョン」は交配だけで作製できるため、従来のトランスジェニックガエルに比べて、取り扱いがきわめて容易である。

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特願2006-203987「透明ガエルおよびその作製方法」

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