ファージを利用した青枯病診断・青枯病菌検出技術開発

keywords.jpg青枯病,Ralstonia solanacearum,バクテリオファージ,RSM,RSS 

山田 隆 

TAKASHI YAMADA

division.jpg先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 分子生命機能科学講座

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

青枯病は多種の主要農作物におこる細菌感染症であり、毎年多大な被害が生じている。土壌や植物体からの高感度の病原菌検出・病害診断技術が望まれている。青枯病菌に特異的なファージを標識することによって有効な検出・診断技術が提供できる。ファージ感染は自然界における生物相互作用であるため、宿主細菌の生育環境で有効にファージを利用できる。

研究内容

自然界より分離した多数の青枯病菌ファージのうちRSM,RSSはM13様繊維状Inovirusであり、ファージディスプレイ技術が適用できる。RSM,RSSゲノムにGFP/ルシフェラーゼ遺伝子を組込み発現させた。これら標識ファージは感染細胞内で増殖し、発する光シグナルを高感度に検出できる。また、RSM, RSSゲノムを改変したプラスミドは青枯病菌用の有用なベクターとなる。目的に応じて各種プラスミドを作製し、植物体、環境中での青枯病菌のモニタリングに利用できることを示した。

成果

RSS由来GFP/ルシフェラーゼ標識ファージ(プラスミド)はほとんどの青枯病菌に有効であり、モニタリングや土壌、植物検定に利用できる。標識ファージによる細菌検出感度102cells/gを達成している。明確に生菌/死菌の区別ができる。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

農地の安全性評価・土壌検査・病害診断に有効な手段となる。この診断・検出は予防・防除技術とシステム化することによってさらに有効性が増す。基礎研究技術としても有用。

本研究の特徴・優位性

対比技術として各種PCR法、ELISA法があるが、何れも植物細胞や土壌環境を対象とした場合、高いノイズの影響でほとんど無効である。特にPCR法では死菌、細胞残さのノイズによる混乱が非常に大きな問題となる。生菌を特異的に認識し、かつ指数関数的に増殖するファージの特徴は検出・診断に最適である。青枯病菌に適用できるファージディスプレイ用ファージは他に知られていない。

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特許第4532959号:青枯病菌に対して溶菌性を示すバクテリオファージ 、特願2007-228396:ファージRSS1の複製モジュールを含有してなるプラスミド,及びそれを利用した方法,特願2009-192635:プラスミド、青枯病菌、モニタリング方法、評価方法およびスクリーニング方法,J. Biosci. Bioeng., 104:451-456 (2007), J. Biosci. Bioeng.,109:153-158 (2010). 日本生物工学会 生物工学功績賞(2009受賞)

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