クロレラを用いたヒアルロン酸・キチン質の生産

keywords.jpgクロレラ,ヒアルロン酸,キチン質,クロレラウイルス 

山田 隆 

TAKASHI YAMADA

division.jpg先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 分子生命機能科学講座

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

ヒアルロン酸やキチン質等のアミノ多糖の需要が高まっている。
前者は鶏冠からの抽出、微生物発酵法で生産され,また後者は甲殻類からの精製が主生産法である。用途に応じてより安全性が高く、高品質なものが必要となる。ここではクロレラが特殊な条件下でこれら物質を生産する事に着目し、新しい生産技術開発を行った。

研究内容

クロレラウイルスは緑藻クロレラに感染する特殊なウイルスであり多くの興味深い性質を有する.その一つが多糖質生成能であり,クロレラ細胞表面に感染直後から繊維状のヒアルロン酸、キチン質を生成・蓄積させる事を明らかにした。ウイルスにはヒアルロン酸生成型とキチン生成型及び両者生成型がある。多糖質生成のタイムコース、生成能に及ぼす環境条件の検討,蓄積多糖質の回収条件検討等を行った。ちなみにクロレラウイルスは宿主特異性が高く動植物、他の微生物等には全く安全である。

成果

クロレラ・ウイルス系でヒアルロン酸生産・回収0.1-0.5g/L(107-108 cells/ml)が3時間で達成できた。重合度は数万と推定。さらに、ウイルス種の選定、培養条件検討により増産が見込まれる。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

安全な生産系であり、純度も高いため医療、化粧品,食品関係への用途に最適である。生産量については限定的で、条件検討の余地がある。

本研究の特徴・優位性

光エネルギー有効利用・二酸化炭素固定(バイオマス生産)の系とカップリングできる。クロレラ培養技術・ノウハウは既に確立済み。有害物質の混入リスクなし。化学処理ステップなし。

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特許第3989865号:クロレラ培養によるヒアルロン酸及びキチンの製造法、特許第3989866号:ヒアルロン酸又は/及びキチンの分離・精製方法,J. Biosci. Bioeng.,99:521-528 (2005),Virology,302:123-131 (2002),Adv, Virus. Res.66:293-336(2006), 日本生物工学会 生物工学功績賞(2009受賞)

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