ヒト型スフィンゴ脂質生産のための高性能宿主酵母の創製

keywords.jpgスフィンゴ脂質,セラミド,酵母,遺伝子組換え,皮膚, 

船戸 耕一 

KOUICHI FUNATO

division.jpg生物圏科学研究科 生物機能開発学専攻 分子生命開発学講座

position.jpg准教授

研究概要

研究の背景

セラミドは乾燥敏感肌を伴う皮膚疾患に対する治療薬あるいは化粧品・美容健康食品の素材として大変注目されている。セラミドの原料としては、これまで牛などの動物由来のものが使われていたが、感染症の問題が指摘され、現在では米、小麦、大豆や芋などの植物性セラミドが主流である。しかし、植物性セラミドはヒトのセラミドと構造が異なる上に生産性が低いことから、それらを克服することが可能な新しい生産技術の開発が強く望まれていた。

研究内容

出芽酵母は有用物質生産のための宿主として化粧品、健康食品や医療産業の分野で幅広く利用されている。我々は、遺伝子組換え技術により、ヒト型セラミドを産生する酵母の開発に着手した。

成果

出芽酵母のスフィンゴ脂質の生合成と代謝システムを改変・制御、必要なヒト遺伝子を導入し、更に遺伝子産物の局在を制御することにより、酵母内でヒト型セラミドを効率的に生産するシステムを開発することに成功した。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

現行のシステムはヒト型セラミドの一部が宿主の複合スフィンゴ脂質合成系を介して混成体に変換されるという重大な問題点を抱えている。この混成体の問題を解決するには、宿主の複合スフィンゴ脂質合成系を完全に欠失する株を樹立することが不可欠である。

本研究の特徴・優位性

我々は、世界に先駆けて酵母内でヒト型セラミド(セラミドNS)を生産するシステムを開発した。生育可能な複合スフィンゴ脂質欠失株が構築できれば、その株にヒト型セラミド合成システムを導入することによって、生産効率の高い、つまり安価なヒト型スフィンゴ脂質とその酵母ライブラリーを市場に供給することが可能となり、スフィンゴ脂質産業の発展に大きく貢献できる。

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特許登録番号4737531(日本)、5344516(日本)、5344517(日本)、US8,367,375 B2(アメリカ)、2157186(ヨーロッパ;ドイツ、フランス、イギリス)

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