マイクロ波加熱流動化固相反応による機能性粒子の合成

keywords.jpgマイクロ波, 固相反応, 流動化, 機能性材料, ナノ粒子 

福井 国博 

KUNIHIRO FUKUI

division.jpg工学研究院 物質化学工学部門 化学工学講座

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

固相反応による複合酸化物などの機能性材料の合成には、非常に長い処理時間と高温が必要である。そこで、この問題を解決するために、マイクロ波加熱と粉体材料の流動化を併用した新規な手法を提案することを試みた。

研究内容

マイクロ波吸収性の高い酸化インジウム粉体と酸化スズ粉体を混合した試料を右図に示すような反応装置で流動化させながらマイクロ波で加熱することで固相反応を生じさせ、透明導電膜に使用される酸化インジウムスズ(ITO)粉体を合成することを試みた。
原料を流動化させることで、マイクロ波加熱の短所である局所加熱による反応の不均一性を低下させると共にマイクロ波の吸収効率を向上させることができると予想した。

成果

右図に示すように、従来の電気炉加熱では数時間必要であった処理時間が1/30以下の10分にまで短縮することに成功した。さらに、電導率(転化率)も同時に35%向上させることができた。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

Carbon, NiO, ZnO, CuOなどマイクロ波吸収性の高い原料からの機能性粒子の合成に適した合成手法であると考えられる。スケールアップと連続反応装置化を企業に期待したい。

本研究の特徴・優位性

蛍光体用酸化亜鉛, コバルト酸リチウム, リン酸鉄リチウムなどの粒子合成や廃棄物からのレアメタル回収にも適用できる可能性が高い。処理時間の大幅な短縮と収率の向上でコスト削減や省エネルギー化が期待される。

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・固相反応による粉体の製造方法,特開2011-246305(福井国博、吉田英人、山本徹也)
・Fukui, K., K. Kanayama, M. Katoh, T. Yamamoto, H. Yoshida“Synthesis of indium tin oxide powder by solid-phase reaction with microwave heating,”Advanced Powder Technology, 20(5), 488-492 (2009)

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