膝前十字靭帯損傷における遺残組織の生体力学的機能について

keywords.jpg膝 前十字靱帯 遺残組織 生体力学 ナビゲーション 

中前 敦雄 

ATSUO NAKAMAE

division.jpg医歯薬保健学研究院 統合健康科学部門

position.jpg助教

研究概要

研究の背景

膝前十字靭帯(以下ACL)完全断裂例において、靭帯の遺残組織であるレムナントが膝関節制動性に与える影響を評価することを目的とした。

研究内容

鏡視下にACLレムナントの形態を5種類に分け、このうちレムナントが後十字靭帯に付着している群(Goup1:18例)と、鏡視で大腿骨顆間部前方に付着している群(Goup2:12例)について、レムナント切除前後でnavigation systemを用いて脛骨前方移動量(100N前方引き出し)と脛骨回旋角(1.5N・m内外旋負荷)を測定し、膝不安定性の変化を計測した。また受傷からの経過期間とレムナントの機能との関係についても評価した。

成果

受傷から手術までの期間が1年未満の群(18例)では、膝30°屈曲位での脛骨前方移動量はレムナント切除後に平均2.22 mm増加し、1年以上の群(12例)の0.17 mmよりも有意に大きかった。脛骨回旋角のレムナント切除前後の変化は両群間に差はなかった.レムナントの形態の違いについては、脛骨前方移動量、脛骨回旋角ともにGroup1と2の間で切除前後での変化量に有意差はなかった。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

下肢に直接ピンを刺入することなく膝の屈曲・伸展、回旋、内外反、前後移動量などが分かる、非侵襲的な計測装置の開発が望まれる。

本研究の特徴・優位性

レムナントは受傷後短期では脛骨前方移動を制限するが、長期間経過すると制動性を失う可能性が示唆された。

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Arthroscopy. 2010 Dec;26(12):1577-85. Nakamae A, Ochi M, Deie M, Adachi N, et al.

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