肺胞上皮細胞におけるインスリンの輸送とその制御

keywords.jpgインスリン,肺胞上皮細胞,エンドサイトーシス 

高野 幹久 

MIKIHISA TAKANO

division.jpg医歯薬保健学研究院 基礎生命科学部門

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

肺はタンパク性医薬・ペプチド性医薬の新たな投与経路として注目されている。しかし肺胞を構成する上皮細胞におけるタンパク質、ペプチドの輸送機構については不明な点が多い。本研究では、インスリン輸送の分子機構を明らかにするとともに、輸送の制御法を探索し、経肺投与製剤の開発に資することを目的とする。

研究内容

培養肺胞上皮細胞RLE-6TNを用い、FITC標識インスリンの輸送機構について解析した。
またRLE-6TN細胞におけるインスリン輸送に及ぼすポリ-L-オルニチン(PLO)の影響について解析した。

成果

1)RLE-6TN細胞においてインスリンはエンドサイトーシスで取り込まれること、取り込まれたインスリンの一部はリソソームで分解されるが、一部は側底膜側へ放出(トランスサイトーシス)されること、さらにその取り込みにはメガリンは関与せず、インスリンレセプターが関与する可能性が示唆された。
2)PLOなどのカチオン性ポリアミノ酸の併用投与は、肺胞上皮細胞へのインスリンの取り込み、さらには肺吸収を高める有用な手法であることが示された。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

製薬企業における経肺投与製剤の開発
併用物質であるカチオン性ポリアミノ酸の安全性、特にin vivoにおける安全性の検証が課題

本研究の特徴・優位性

インスリンに共有結合で輸送促進物質を付加する方法に比べて簡便であり、インスリンのみならず他のタンパク質やペプチドの経肺吸収に対しても適用できる可能性を秘めている。

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Oda, K., Yumoto, R., Nagai, J., Katayama, H. and Takano, M.: Mechanism underlying insulin uptake in alveolar epithelial cell line RLE-6TN. Eur. J. Pharmacol., 672, 62-69 (2011)

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