神経回路の生後発達におけるP/Q型電位依存性カルシウムチャネルの役割

keywords.jpg電気生理学 神経 発達 小脳 

橋本 浩一 

KOUICHI HASHIMOTO

division.jpg医歯薬保健学研究院 基礎生命科学部門

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

生後発達初期の神経回路には、成熟動物には見られない過剰な回路が見られる。生後発達期における必要なシナプスの強化、不必要なシナプスの除去のプロセスを経て、成熟した機能的な神経回路が形成される。

研究内容

神経回路の生後発達過程に関与する分子機構を解析する為、モデル実験系として小脳登上線維-プルキンエ細胞シナプスの生後発達過程を解析した。生後すぐのプルキンエ細胞は複数の登上線維による多重支配を受けているが、生後3週目までに、1本を残して他の登上線維は除去される。神経細胞の電気活動に関わることが知られているP/Q型電位依存性カルシウムチャネルの遺伝子組み換えマウスを使用し、登上線維の生後発達における役割を解析した。

成果

P/Q型電位依存性カルシウムチャネルの遺伝子組み換えマウスにおいては、大人の神経回路を構成するべき登上線維の選別の過程に異常が見られ、神経回路の刈り込みが正常に起こらないことが明らかになった。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

将来的には、発達障害などの機序の解明に役立つかもしれない。

本研究の特徴・優位性

解析対象として神経回路の生後発達過程のシナプスレベルでの解析可能な小脳登上線維-プルキンエ細胞シナプスを用い、かつ電気生理学的手法、遺伝子工学的手法、形態学的手法を組み合わせることにより、詳細な解析が可能となった。

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Hashimoto, K., Tsujita, M., Miyazaki, T., Kitamura, K., Yamazaki, M., Shin, HS., Watanabe, M., Sakimura, K., Kano, M. Postsynaptic P/Q-type Ca2+ channel in Purkinje cell mediates synaptic competition and elimination in developing cerebellum. Proc Natl Acad Sci U S A. 108, 9987-9992 (2011).

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