カエル幼生の性を色で識別する系統の確立

keywords.jpg性,カエル,環境ホルモン,突然変異 

三浦 郁夫 

IKUO MIURA

division.jpg理学研究科 附属両生類研究施設 分化制御機構研究部門

position.jpg准教授

研究概要

研究の背景

両生類は、ライフサイクルを通して陸と水、両方の環境下に生息する。それゆえ、環境の変化に高い感受性を示し、動物の性を撹乱する環境ホルモンの検出に適している。しかし、発生初期に、しかも簡便に遺伝的な雌雄を識別することは困難である。

研究内容

野外で見つかったカエルの色彩変異体を野生型と交配し、その雑種オスをさらに変異体メスへ戻し交配することによって子孫の性と色彩との連関を調べた。

成果

ツチガエルのひとつの色彩変異体(whitish-yellow)では、雄が全て野生型(XwY+)、メスが全て色彩変異型(XwXw)となった(図A)。受精後5日目の幼生で、雌雄を色彩で識別することができた(図B)。この系統を用いて、雌雄で特異的に発現する6つの遺伝子を同定した。さらに、この系統は、テストステロンおよびエストラジオールの両方に対して高い感受性を示し、両方向への性転換が容易に誘導されることがわかった。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

本系統は、1)性ホルモンに高い感受性を示すためオスからメス、メスからオスへ、両方向に性転換し、2)発生の早い段階から雌雄を色で識別できるため、化学物質が及ぼす生殖腺の性分化への影響を調べる上で有効である。

本研究の特徴・優位性

水陸両方に生息する四足動物、一腹で1000個以上の卵を生む(遺伝的に均一な多くの幼生)、性ホルモンに対する高い感受性と両方向への性転換、遺伝的雌雄の容易な識別という点で、環境ホルモン査定に有用

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Miura et al. (2011) Sexual Development 5:250-258. 

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