ヒト肝細胞移植キメラマウスを用いた医薬品のヒト体内動態予測

keywords.jpgヒト肝細胞移植キメラマウス 

佐能 正剛 

SEIGOU SANOU

division.jpg医歯薬保健学研究院 応用生命科学部門

position.jpg助教

研究概要

研究の背景

医薬品開発における臨床試験の中で、安全性、薬効や体内動態が原因で開発が中止になるケースは多い。創薬段階において、医薬品のヒトにおける体内動態を予測できれば、良好な動態を有する医薬品の創出に留まらず、安全性や薬効の予測につながる可能性もあり、その評価法の構築が求められている。

研究内容

肝障害と免疫不全の性質を有するuPA/SCID miceにヒト肝細胞を移植した「ヒト肝細胞移植キメラマウス(PXB mice®): ㈱フェニックスバイオ(東広島市)が生産(共同研究)」は、その肝臓にヒト型の薬物代謝酵素の発現、活性を有することが報告されており、ヒトの薬物代謝、動態を示す「ヒト型肝臓モデルマウス」として期待されている。本研究では、肝臓における様々な薬物代謝酵素で代謝消失される13個の医薬品を検証化合物として取り上げ、 PXB mice®を用い、ヒト体内動態の予測性について検証した。

成果

各検証化合物をPXB mice®に投与後の体内動態プロファイルは、実際のヒトの報告されるプロファイルを定性的、定量的に概ね反映していた。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

製薬企業における創薬において、 PXB mice®を用いることで、様々な薬物代謝酵素で代謝される医薬品のヒトにおける代謝・動態を予測することができ、ヒトにおいて良好な動態を示す医薬品候補化合物の効率的な創出に貢献できることが期待される。

本研究の特徴・優位性

現在、医薬品のヒトにおける体内動態予測には、ヒトの肝臓から単離した肝細胞を用いたin vitro評価系が広く用いられている。 一方、PXB mice®を用いた評価は、実際の生体に近いin vivo評価が可能なため、得られる情報量、予測精度の点で優位性が高いと考えている。

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Sanoh et al., Drug Metabolism and Disposition (2012);40(1):76-82
Sanoh et al., Drug Metabolism and Disposition (2012);40(2):322-328
Sanoh and Ohta, Biopharm Drug Dispos. (2014);35(2):71-86.

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