磁気ターゲッティングシステムによる関節軟骨再生療法

keywords.jpg外磁場,関節軟骨,骨髄間葉系幹細胞 

越智 光夫 

MITSUO OCHI

division.jpg医歯薬保健学研究院 統合健康科学部門

position.jpg教授

研究概要

研究内容

関節軟骨が損傷すると、経時的に軟骨破壊とその周囲軟骨の変性をきたし、ついには変形性関節症へと進展してしまうが、本来の硝子軟骨で、完全に修復する確立された方法は存在しない。我々は、より低侵襲で効果的な軟骨修復を目指し、磁場を利用した新しい幹細胞デリバリーシステムを考案し、研究を行ってきた。外磁場装置を開発し、これにより磁気標識した骨髄間葉系幹細胞を目的の方向に誘導・集積させる実験を進めている。豚の膝蓋骨に軟骨欠損を作製し、外磁場装置により磁場をかけながら磁気標識した骨髄間葉系幹細胞を関節内に投与し、骨軟骨欠損部に効率的に誘導・集積させることに成功した。この方法により、肉眼的・組織学的に良好な軟骨修復が得られている。細胞の磁気標識も、すでに臨床で使用されているMRI造影剤を用いており安全性も高い。本方法により、将来的に低侵襲な細胞治療による軟骨再生療法に発展させることが可能となる。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

・この分野に関心のある企業等との共同研究は可能である。
・この研究に関する技術指導が可能である。
・このテーマに関する講演、助言などが可能である。
・企業と実用化のための共同研究を行いたい。
応用分野
低容量の薬剤を外磁場で標的組織、臓器に集中させることができるため、製薬業界に応用可能と思われる。

本研究の特徴・優位性

外磁場を用いて磁気標識した細胞の局在をコントロールできる。また、関節以外の組織においても応用可能である。実際に我々は、磁場を利用した磁気ターゲッティングにより、これまで、骨再生、がんの早期退縮、脊髄損傷における神経再生促進、筋再生促進作用を報告している。細胞だけでなく、磁性体リポソームに薬剤を封入し、同様に外磁場を利用して、局在をコントロールできる。

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Kobayashi T, Ochi M et al. Augmentation of degenerated human cartilage in vitro using magnetically labeled mesenchymal stem cells and an external magnetic device. Arthroscopy. 2009;25(12):1435-41.

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