光合成微生物を用いるバイオソーラーセルの実用化研究

keywords.jpg太陽光,バイオソーラーセル,生物太陽電池,シアノバクテリア 

柿薗 俊英 

TOSHIHIDE KAKIZONO

division.jpg先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 代謝変換制御学研究室

position.jpg准教授

研究概要

研究内容

持続可能型エネルギー社会の構築には、太陽光を用いる再生可能エネルギーの活用が必須であり、太陽電池は期待される活用法の最右翼のひとつであるが、比較的高価で設備費回収には長期間を必要とすること、設備稼働率が中緯度域では1日あたり3時間と低く、広範な普及は難しい。ところが、光合成微生物を活用すると、培養液に適切な電子獲得電極を付設することによって、ほとんど日照時間に匹敵する時間(最大16時間/日)において光合成発電が可能となる。培地には安価に海水が使え、炭酸ガスの固定ができる長所が付随する。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

32億年前に地上に酸素発生をもたらしたシアノバクテリアを電子収奪環境において生育させると、光合成反応にもとづく水分解とともに、連続的な電子放出として直流電力発電が可能となる。本技術開発について、ピークオイル後の持続可能なエネルギー社会を目指す企業と、共同研究・受託研究を希望する。
 開発項目は、電力出力の向上と、発電期間の長期化、およびバイオソーラーセルの電気化学である。バイオソーラーセルの電子放出メカニズムについて詳細を解明することがこれらの鍵を握る知見である。
応用分野
・持続可能かつ再生可能な電力を生み出す生物太陽電池
 ■ 電力変換は即時的であり、油糧を蓄積する藻類生産系では、数週間を必要とするのと対照的である。
 ■ 光合成生物はほぼ日照時間の間、光合成を行えるため、設備稼働率において、化学太陽電池の4-5倍以上大きい。
 ■光合成時には、炭酸ガスを固定する温暖化抑制技術である。
 ■従来の微生物利用型産業と異なり、スケールアップでなく、(反応器の)ナンバーリングアップが高出力発電の鍵因子。
 ■強光を必要としないので、屋上、屋根でなく、植物が育つ日照があるところでよいため、設置場所の制限が少ない。

本研究の特徴・優位性

・表面積の極めて大きいモール状炭素電極が光合成微生物(シアノバクテリア)による太陽光発電を可能とする。
・発電出力は、1976年の世界初の国産太陽電池の出力1.6μWの10倍以上の出力と、使えない微弱電流から、使える弱電力へ。
・高等植物の太陽エネルギー利用率は0.3%とされるが、本研究では1週間以上の長期において発電変換率で10%を凌駕している。

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