ガラスよりも熱を伝えにくい熱電変換物質の結晶を育成

keywords.jpg熱電変換素子,廃熱回収 

高畠 敏郎 

TOSHIRO TAKABATAKE

division.jpg先端物質科学研究科 量子物質科学専攻 量子物質科学講座

position.jpg教授

研究概要

研究内容

廃熱からの電気変換回収において熱電変換性能を高めるには,電気を金属のようによく流しながらも,ガラスのように熱を伝えにくいという,相容れない特性を有する熱電変換素子が要求される。
 当研究室ではシリカガラスよりも熱を伝えにくいカゴ状構造の熱電変換化合物の結晶を作製することに成功した。 開発した化合物は,結晶でありながらシリカガラスよりも熱を伝えにくいカゴ状の化合物Ba8Ga16Sn30である。この化合物中でBaイオンはGaとSnが作るカゴのなかにいるが,カゴの中心にいるのではなく,中心から0.043nmもずれた四つの位置の間をぐるぐる運動していることが判った。このような運動は宇田川眞行教授(広島大学大学院総合科学研究科)らのグループによるラマン散乱実験によって始めて確認された。重いBaイオンのぐるぐる運動がカゴと相互作用して熱の伝導を妨げるために,低い熱伝導が実現している。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

この分野に関心のある企業等との共同研究・受託研究は可能である。
応用分野
廃熱を利用した発電

本研究の特徴・優位性

従来の熱電変換素子(Ba8Ga16Ge30)より熱電変換性能は2倍になると期待される。また,環境にやさしく比較的安価な原料から合成できる出来る点も熱電変換材料としてのメリットである。

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M.A. Avila, K. Suekuni, K. Umeo, H. Fukuoka, S. Yamanaka, and T. Takabatake, Applied Physics Letters 92, 041901(1-3), 2008.

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